冒頭のダイナーでの、テレビに釘付けになりながらコーヒー注ぐシーンで持っていかれました。レニー・ゼルウィガー、表情すごくいいね。恥ずかしいことに初めて見た。もちろん「ブリジット・ジョーンズ・・・」も見逃しちゃってるし。

とにかく脚本ですかね。話の転がし方と笑いのセンス。バカ笑いとかじゃなくて「ウキキィッ」と嬉しくて身震いしちゃうような笑いでした。彼女の役づくりってすごいんじゃない？

それぞれの役者が秀逸なキャラで見せ場いっぱい。特に伊達男グレッグ・キニアがメチャおかしい。「ミステリー・メン」でのスーパー・ヒーロー同様に色男のセルフパロディやってる。この人も表情大好き。それからクリス・ロック。しゃべりは相変わらずクリス節。悪態つきまくるとこは「メソッドマン」のアルバムでゲスト参加したあのまんま。演技も独特のトボけたあぶないキャラでモーガン・フリーマンを食う勢い。

問題はモーガン・フリーマン。彼だけは「笑い」のカヤの外でひたすらヒューマンチックな犯罪者で居続ける。見てるこっちは、まるで「ショーシャンク・・・」のレッドがシャバに舞い戻ってこの世に落とし前をつけに来たかのような行動ぶりに少しジーンとしたりするのだが・・。とにかく、彼女がスタジオで半ベソかいて正気に戻っちゃった瞬間から見てるこっちもいきなりシリアス・モードにひっくり返される。このマジックはすごいよ。

ハートウォーミングなラストが、果たして良かったのか悪かったのか、いまだに判断つきかねるが、とにかく新鮮なオリジナリティを感じたことは確か。