大変な事には違いないが、療養中に生活に困った様子はあまりなかったし、妻が浮気しまくったり、娘がヤク中になっちゃうわけでもない。結局は簡単に職場復帰してしまう。要するになんだかんだ言ってもエクゼクティブなクラスライフの枠の中での苦労話なのだ。せっかくエクゼクティブな方々の中身のない人間ぶりをチクリとやったりもしてるのに、手前ミソというか厳しさが足りない。

淡々とした描写でテンポも良く、悶々とした闘病記より、その後の心の変遷ぶりを描いている。そこが良いところでも悪いところでもあり、彼の当初の絶望感や屈折ぶりが伝わってこなかったので食い足りなかったのだろう。

アネット・ベニングのリッチな奥様ぶりが見事だっただけに、見てるこっちもヒガミまくってしまった。素直な心の金持ちになりたい。