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[コメント] グッド・シェパード(2006/米)

存在感あり過ぎのジョリーに無さ杉デイモンのミスキャスト。アップ多すぎとベタな音楽で『ゴッドファーザー』の品格には届かなかった。
ざいあす

これはミスキャストじゃないでしょうか。存在感ありまくりのジョリー嬢に存在感なさ過ぎなジェイソン・ボーン。アンジェリーナ・ジョリーはそれなりに熱演してるけど、自身のキャラが立ち過ぎちゃってるからどこまでいっても「アンジェリーナ・ジョリー」にしか見えない。デイモン君は脚本の肉付けが足りないせいもあるし、童顔に老けメイク弱めだから成長した自分の子供と抱き合うシーンが違和感アリアリ。ソ連側の「ユリシーズ」に対峙できるような切れ者のオーラも無いんです。

時制を交錯させての緊張感を持続させる展開はなかなかのもんでしたが、いかんせんキメが無い。海だか湖だかの岸辺の公園シーンとか教会の懺悔室とか、息子が劇場で歌を歌うとか、随所にゴッドファーザーぽい場面が続出するんですが、バイオレンスと叙情のメリハリがあるでもなく、ジトジト暗い上にやたらとアップが多いのも品格に欠けました。脇を固めるウィリアム・ハートやアレック・ボールドウィン、ジョン・タトゥーロ、タミー・ブランチャードなんかはぞれぞれいい味出して良かったんですけどねぇ。キューバでジョー・ペシが出てきた時は、ハイマン・ロスかよ!と思ってワクワクしたんだけど黒幕でもなくワン・シーンのみで残念。

3時間という長さを感じさせなかっただけに、もっと長くても良かったです。「スカルズ&ボーンズ」を削ってでも、もっと家族のシーンを増やして欲しかった。それぞれの苦しみや葛藤がこっちに迫ってこないんですよ。

デ・ニーロ監督は久々の大作に、製作陣にコッポラを入れ、脚本にエリック・ロス、撮影にロバート・リチャードソンと万全の体制で臨んだわけですが、ハリウッドスタイルのキャスティングが逆効果だったみたいです。

(評価:★3)

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