コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ(2000/米)

まさかこの映画を上映中に場内で携帯電話が鳴らすバカがいるとは・・・。まだまだ彼らには頑張ってもらわないと困る。
tacsas

有名な話だが主演のスティーブン・ドーフは「俺には合わないから」と『タイタニック』の主役の座を蹴った男である。『ジャッジメント・ナイト』を最後にハリウッド式メジャーを否定し続ける男でもある。 そんな男がジョン・ウォーターズと組み映画好きだけではなく映画バカのための映画を作っちまったこの痛快さ。

大手広告代理店式のマーケティングで幾らでも儲かる映画は作れる。話題の役者を集めた上で、興業収入やスポンサーのために欲しい層に訴える役者をもキャスティングし(『アルマ(以下自粛)』のブシェー(以下慎)松田聖(以下遠慮))サントラも作品と合うファン層の広いヒットメーカーをマーケティングで割り出し、泣けたり癒されたりする曲を妥当と思われるところで流す。オマケに大量のCM投入をして「感動しました〜」などとマーケティングの餌食ども(映画観る度頭リセット野郎でもいい)に言わせつつ、時には政治力を使い台本しか読まぬタレントに絶賛させる。そして一部の層を洗脳し、間違った確信へと導く。

別にこんなヒットの縮図を悪いこととは思わない。儲ける方にしてみれば金を稼いでナンボである。場合によっては尊敬すら出来る。しかし個人的な見解だがこれらの映画はあくまで商品ではあっても作品であるかは疑問だ。観客を涙を流す家畜だと考える監督にはおおよそ共鳴できない。もちろんハリウッド映画が全てこの絵の中にあるわけではないし、この映画にだって観た人が思う通りの縮図がある。ただこの『セシル〜』を自分が素晴らしいと思うのは

この映画が啓蒙ではなく、ただハリウッド大作をバカにしたわけでもなく、この監督が思う所の正直な嘘のない遊びを詰め込んだ映画であるからだ。

映画の見方など自由だとは思うが、このサイトでも話題作とそうではない作品の採点人数の差がそれらの作品の質の差以上に薄気味悪いほどに開く。それらが話題作だから素晴らしいとか、話題作だから最悪だなんて話はこの際どうでもいい。ただこの恐ろしいまでに開いた採点人数の差に僕は恐怖を感じてしまうのだ。

最後に映画の見方など自由とは書いたが、もちろん当てはめられないケースもある。映画館で携帯を鳴らしたり、何かチカチカとメールを打つバカタレのことだ。こんな輩がいる限り、まだまだセシルBには天寿を全うしてもらっては困る。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (10 人) poNchi[*] ペンクロフ[*] ミイ 死ぬまでシネマ[*] ぴち kaki[*] ハム[*] tredair[*] のこのこ

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。