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★5 | 暗黒街の弾痕(1937/米) | 悪循環に止め処なく墜ちてゆくことに些かも情緒的でない。後世の多元的で錯綜した構成の『俺たちに明日はない』に比し初源的で単眼的なのだが、原理的な表現主義ショットが鋭利に冴えまくるのだ。『羊たちの沈黙』にもこれの残滓が窺える。 | ぽんしゅう, ジェリー | [投票(2)] |
★1 | 花のあすか組!(1988/日) | 少女ががなり立てて様になるのは難しい。声質も表情も挙動も何かを捨てて境界を越えないと様にはなれないから。そして、当然ここには越えた者など居ない。見ている間人事ながら恥ずかしくて仕方なかった。学芸会以下のクソ芸品評会。 | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | エレファント(2003/米) | 背景音と等価に置かれた無味なダイアローグの羅列や単に歩く人物を背後から追い続ける長回しによって浮き上がる等身大の日常。降りかかる凶事に対し善悪論や運命論は全く無意味で恣意性のみに支配される。確かにそんなもんだろうとは思う。 | NOM, CRIMSON, トシ, リアほか8 名 | [投票(8)] |
★5 | 大阪物語(1999/日) | 滅び行く親の世代と脱皮しながら育ち行く子の世代の対比は在り来たりかも知れぬが驚くべきバランス感覚の良さで、どちらの描写も全く過不足無い。日常に芸人が介在する浪花の世界に組み込まれた親子が全くあざとくないのが素晴らしい。 | デナ, 水那岐, ことは | [投票(3)] |
★4 | 狼男アメリカン(1981/米) | バカがアメリカでバカやってもウンザリするような埋没感があるが、ダークネスなロンドンの空気が抑制と対比を与えて、悲喜劇のブレンド感が絶妙な中途半端さを醸し出す。後半の展開が性急すぎたのが惜しまれるが佳作。 | デナ | [投票(1)] |
★4 | マネートレイン(1995/米) | 黒人と白人の乳兄弟という設定は1歩間違えれば、あざとさを免れないものだと思うが、女性をめぐっての2人の確執に納得性と吸引力があり、そういう部分を感じる隙を与えない。2人の役者が良くアクションも相当にハード。拾い物だと思う。 | デナ, d999 | [投票(2)] |
★4 | ノー・マーシイ 非情の愛(1986/米) | 雪のシカゴの寂寥感が切なく、ニューオリンズに舞台が移って陽転するかと思えば尚切なくなる。アメリカ映画でこのキャスティングでこれだけの暗い情感を出した映画も珍しい。見え見えを本物に転化する役者力。主演2人は最高。 | デナ | [投票(1)] |
★3 | 獄門島(1977/日) | 前半に関しては快調な市川節も後半になるにつれテンポが落ち、ただ単に物語を語るに終始していく。興行的戦略だけに眼目を奪われ、無理矢理の別犯人を仕立て上げて、物語の本質を蔑ろにするとこうなってしまうのだ。 | づん, ダリア, くたー, トシほか7 名 | [投票(7)] |
★4 | 麗しのサブリナ(1954/米) | 超弩級の新星に強面のベテランボガートを配したのが常套手段にしても填ってる。一方でシニカルなホールデンも良い味で配役の妙を堪能すべき映画だろう。オードリーは同じワイルダーなら『昼下りの情事』の方を買う。 | デナ | [投票(1)] |
★3 | めし(1951/日) | 倦怠とは、こう言う画に描いたようなアンニュイで現されるものかという思いがある。平素を装った表面づらの陰に忍び寄るものじゃなかろうか。夫婦のちょっとしたすれ違いや誤解を描いてそれなりではあるが、描くべきテーマに対しストレート過ぎて面白くない。 | づん, 水那岐, 緑雨, 町田 | [投票(4)] |
★4 | 会社物語 MEMORIES OF YOU(1988/日) | 物語としては企画もんの域を出ないのかもしれないが、この映画全体を覆う終末的寂寥感は間もなくピークアウトする日本経済を予見していたかのようだ。勿論市川準にはそんな先見性はない。ただ、無責任男たちの挽歌として俺には限りなく愛おしい。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★3 | スパイダーマン2(2004/米) | バイトをクビになるにせよ成績が下がるにせよ苦悩と言うには日常的に過ぎ、だから愛と天秤にかける正義が薄っぺらい。1作目同様主観的でアクロバティカルなカメラワークに拘泥し過ぎで糸1本で全体重を支え摩天楼の谷間を飛び交う刹那感は欠片も感じない。 | カルヤ, ぽんしゅう, 白羽の矢, 緑雨ほか5 名 | [投票(5)] |
★2 | 近松門左衛門 鑓の権三(1986/日) | 半端な道行きが何時しか真実のパッションを発露させるにはひろみが軽すぎて志麻は重すぎる。釣り合わない2人は結果全く嘘臭い。しかも、本物志向のロケーションも創意のフィルターを通さぬでは絵葉書と同レベルに堕す。ズレた文化人達の自慰作。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★3 | 次郎長三国志(2008/日) | 口跡のいい役者たちの小粋で気っ風のいい台詞の応酬。それはそれで心地よいが前作にも増してのベタ演出には少なからずがっかり。ただ、役を配する悦びに充ち充ちている。挙げていきゃあ、北村・温水・木村・竹内・高岡…まあキリねえや! | ぽんしゅう, 水那岐, デナ | [投票(3)] |
★4 | カサブランカ(1942/米) | イジイジした女々しい男が最後に男をあげる格好良さと身勝手そのものだが男心を引きつける女のリアリズム。それは、実は説話的に醸成されたボガートとバーグマンのイメージとは真っ向から逆説的。そこにこそ深みが存在する。 | NOM, ドド, かける | [投票(3)] |
★3 | ハンカチのご用意を(1978/仏=ベルギー) | 歪なまでに変形しゆく世界観をあくまで日常として呈示しようとする気概は買うが、足りないのはパワー。かつてブニュエルやパゾリーニが保ったテンションを低迷期の仏映画で示現するのはしんどかった。微妙な出来だがオスカー受賞も頷けないことない。 | muffler&silencer[消音装置] | [投票(1)] |
★3 | トゥルー・ロマンス(1993/米) | 男版ハーレクインに逆説的に「真実の」ロマンスと銘打つからには自覚もあったろうに若気の至りとも言うべきナマな夢物語には矢張り退く。これだけの脇キャストを揃えながらスコットの無臭演出が妙に素直というアンビバレンツに救われた。 | NOM | [投票(1)] |
★5 | ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990/米) | 孤独な魂が越境する。真の理想的生き方を得る為に何かを捨てることを納得性をもって描くに十全な配慮と時間配分が為されている。痛みを伴う惜別に憧憬と諦念を感じて久しく見なかったピュアな感動を覚えた。コスナー生涯の穴馬券。 | デナ, NAO, 映画っていいね | [投票(3)] |
★4 | 雨に唄えば(1952/米) | 芸としてのタップは圧倒的に堪能できるし、余りに有名なタイトルナンバーの場面は矢張り見ておくべきものとは思うが、毒気無く能天気で何より余りに直截なバックステージものに終始するのが少々物足りないし、長いので飽きてくる。 | ジェリー, 煽尼采, りかちゅ | [投票(3)] |
★3 | スパイ・バウンド(2004/仏=伊=スペイン) | 本物のスパイなんてのは小説や映画と違って地味で間尺の合わない稼業なのさと言うのなら徹底して地味に極めて欲しいのに中途半端でいただけない。ただ、余りに無意味な導入部やおざなり極まりないラスト等妙に変なので嫌いにはなれない。 | ハム | [投票(1)] |