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けにろんさんのコメント: 更新順

★348時間(1982/米)キャラの設定に過剰さが足りなく過不足なさすぎで物足りない。「白と黒」「重と軽」「暗と明」といった設定は使い回されたコンビネーションなのだから、満を持してのマーフィ登用なら更なる劇薬たり得てほしかった。ヒル演出もルーティーン。[投票(1)]
★3トム・ヤム・クン!(2005/タイ)プロットの結を端折ってしまうのではテキトー感を拭えない。陳腐な物語とバトルの中で「料理店での4分間長回し」と「終盤の49人連続関節折り」だけが屹立している。勿体ない。で結局、序盤が一番良い。象への愛が溢れるシーンの数々が神々しく輝いている。[投票(1)]
★5冬の光(1963/スウェーデン)神の在不在に関心が無くとも孤絶された世界と向き合う人々の圧倒的なニヒリズムには深い共感を覚える。ニクヴィスト撮影は余りに厳しい風土を切り取り単調なまでの長廻しを用いてハードボイルドそのもの。対極の『沈黙』の話法と双璧と思う。[投票(2)]
★5大日本人(2007/日)鈍重な一本調子でさして笑えないが一途にコンセプトを貫き明晰でクリアであるとも思う。CGと自主映画なハンドメイド美術の折衷バランス。ためた上での板尾とのコラボは完璧。上辺の反米イズムは真意だろうが躊躇するエンドクレ。本気を垣間見た。[投票(4)]
★3昭和残侠伝 血染の唐獅子(1967/日)昭和残侠伝』の監督として佐伯清の凡庸なアナクロは後世に残らなかった。集団のコラボと叙情味で秀でるマキノの水準作。予想外に屹立してしまった『死んで貰います』を別格としてもこれはこれで退屈はしない。しかし、若干腑に落ちない。[投票(2)]
★4マルコヴィッチの穴(1999/米)微妙な臨界線上に位置しているのだが見透かされたような余裕で支持せざるを得ない側に落として見せられた気がする。ボロを出すかと思っても切り抜けてしまう奥の深さはゴダールみたいだ。「人形使い」もマルコヴィッチも本気じゃない…のが又良い。[投票(1)]
★5マッドマックス2(1981/豪)ミディアムからロングに至るショットの往還が破綻ないリズムで統一され、その中で中世と近世と近代と近未来が歪つに混合された挙句に現出したパラドックスな世界観。しかも、ロマンティシズムと侠気と執拗なまでのチェイス。真似できそうでできない混沌。[投票(2)]
★3叫(2006/日)液状化する湾岸埋立地帯という如何にもながらそそるキーワードの選択に惹かれたし、前半は視覚的にも黒沢的不均衡を漲らせて相当良い。しかし、謎は解かない方がいいね。馬脚が現れるから。そして『回路』な終末イメージには又かよと萎える。[投票(6)]
★3肉弾(1968/日)モラトリアムな主人公が戦争を内在化する過程が多分に形骸的で、低予算を逆手に取りシュールを模索する狭間で居所を見出せていない。ブラックジョークに成り切れていない据わり処の悪さ。哀しくも喜八の怨念は骸のように風化していく。[投票(1)]
★3男はつらいよ 柴又慕情(1972/日)吉永小百合が頑固親爺に悩まされる素直な娘を好演しているものの、素直に相談相手として寅を慕うだけで色恋は何にもない。寅も約束事としてふられては見せるが如何にもとってつけたようだ。そういう淡泊な予定調和には興味がわかない。[投票(3)]
★4バベル(2006/仏=米=メキシコ)日本とモロッコの挿話が数枚の写真でしかリンクしない等、構成の強度は脆いし新味も乏しい。しかし、一見今更の喪失や鎮魂の中から最終的に抽出されるのは子供に対する大人達の思いと次世代への希望に思える。予想外の真っ当さに撃たれた。[投票(4)]
★3スター・ウォーズ(1977/米)画期的なのはモーション・コントロールの戦闘機が醸すスピード感と巨視感のみであり、お姫様奪回作戦の陳腐な作劇は子供心にもチープに思えた。『アメ・グラ』を撮った作家が生涯をこれのみで終えるのか。それも又生き方だろうが解せない。[投票(2)]
★3殺人狂時代(1967/日)喜八が拘泥するのは、あくまで映画技法内の熟達であって真のアナーキズムとは遠くかけ離れていることを露呈してしまった。そのアクの強さは認めるが哀しいまでに幼稚な世界観。シーンを横断するアクション繋ぎも遣りすぎでしんどい。[投票(1)]
★4慕情(1955/米)人種の障壁を越えた恋愛という設定がほとんど機能していなく刹那な越境感も殆ど無いが、だからこそとも言える老匠キングのオールドハリウッドなベタなオーソドックスに世知辛い浮き世を忘れて浸るも又良しな名作。[投票(1)]
★3長い灰色の線(1954/米)フォードの懐旧的情緒は敬愛するに足るし、外様パワーを囲む一家の醸すアンサンブルの良さは否定したくもないが、題材が題材。第2次大戦に対する愛国主義的盲信ぶりには、どうしたって退いた姿勢でしか見ることはできない。[投票(2)]
★5世界最速のインディアン(2005/米=ニュージーランド)爺さんのロードムービーと来ればリンチのそれを想起するが、ドナルドソン演出は物語にあくまで準拠しギミックを廃して自然体。出てくる人は孤独でも何ものにも依存せず後ろ向きな姿勢とは皆無縁。ここには紛れもない理想郷が現出している。[投票(5)]
★3チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2(1990/香港)過剰なまでの情緒綿々さが拭い去られて1作目よりおもしろい…かもだが、張りぼてめいたラスボス登場の終盤は、やっぱり…感がもしや感を凌駕し反面安心感も覚えるという毎度馴染みの思考経路を踏襲してくれる。[投票(1)]
★5グッドフェローズ(1990/米)既存の商業主義に馴れ合いつつもポイントごとに特異な異質感が滲み出る。尖った技巧のオンパレードとウェルメイドな凡庸の端境点。物語に準拠せず闊達な語り口に拘泥した或る意味でのスコセッシのピークであり90年代以降のランドマーク。[投票(2)]
★2アレクサンダー大王(1980/伊=独=ギリシャ)画面の美は認めるが思いこみと紙一重のワンシーンワンカットもこうまでなったらあざとい。定点固定の画面内でチマチマ繰り広げられる事象の怠惰な羅列。ギリシャ近代史に於ける共産主義の破綻。その主義主張を曖昧に言及したってしかたない。[投票(1)]
★3太陽の墓場(1960/日)アナーキーなコンセプトは最高に良いのだが、寄せ集めの役者を散りばめた今村的混沌世界を理に勝った大島イズムが上滑りしていく。迎合し切れないそのギャップが面白いと言えば面白いが、やっぱ退屈でもあるし鬱陶しい。[投票(1)]