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けにろんさんのコメント: 更新順

★3インセプション(2010/米)不可能作戦を遂行するプロ集団のリーダーが個人的事情に拘泥してウジウジして展開が間延びし、どっちつかずで尺だけ長い。夢だから何でも有りとは言え4段階の夢中夢の舞台設定に伏線のかけらもない。あるのは絵づらの趣向のみでアホらしい。[投票(18)]
★5バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989/米)現在・過去・未来と目くるめくまでに大風呂敷を拡散しつつPART1とのシンクロは的確と言うしかない桃源のダイナミズムに達している。未来世界の造形の妙と過去世界のパラレルな反復もだが、数役をこなす役者陣も敢闘賞ものの乗り。[投票(2)]
★4座頭市 THE LAST(2010/日)渡世の非情と無縁の優しき「市」の造形に香取のがむしゃらで無垢な様が合っており、対峙する仲代豊原ARATA達の巧緻な悪との噛み合いに大いなる醍醐味があり、全体を統べる阪本の冷めた無常観が一貫したトーンを維持している。[投票]
★4川の底からこんにちは(2009/日)自虐的モラトリアム女が開き直って一念発起し自己再生するベタな規定路線上の物語は余り説得力もないのだが、日常的におっさんとオバハンがまぐわう土俗環境の今村が降臨したかの如き描写の魅力と徹底的なダメ男を許す川島的女権信仰が太い。[投票(4)]
★3上意討ち 拝領妻始末(1967/日)人間の條件』的骨太作風でこそ描いてほしい、システムに翻弄される弱者の叛逆や、骨抜け人生を送った男の老後の目覚めや、息子や嫁への真摯な愛情なのだが、『怪談』風表現主義演出のの小賢しさが興を冷めさせる。貧乏くさいのだ。[投票(3)]
★5パリ20区、僕たちのクラス(2008/仏)どっかの国みたく崩壊してるかに見えても決定的に違うのは真剣な対峙があり、教師も生徒も全くシニカルではないが甘えも皆無なこと。背負ってるものが膨大だからだ。結局何も解決されず救済もされないが、それでも前を向いて生きるしかない現実の正当な認識。[投票(3)]
★3アデル ファラオと復活の秘薬(2010/仏)冒頭の叙述的語り口から19世紀ロマン主義的展開を見せ始めるあたりが悪くもなく、米映画の低位な取り込みも目を瞑る。ギャグかと思えるオチが結構マジそうなのもベッソンの天然たる所以で今更何も言うまい。ルイーズ嬢の堂々たる居住まいが良い。[投票(1)]
★5となりのトトロ(1988/日)夜中に窓外の気配に怖々目を凝らしたとき、又夕闇の雨のバス停で気配に振り向いたとき、そこに居るという静謐の間合いから、大空中の飛翔や猫バスの疾走に繋がる緩急。そして、俺は大きくフワフワのモノに包まれ羊水の中の胎児のように夢を見るのだ。[投票(4)]
★3ザ・ロード(2009/米)絆と言う他ない父子の相互信頼と愛を直裁に謳うことに意義があると認めつつ、余りに他に何の新味もないことに戸惑う。語り尽くされた事後の世界観だが、愛妻の記憶を、又自らの生への我執を断ち次世代へ継承する種の連環。そのクールな諦観は感慨深い。[投票]
★5しあわせの隠れ場所(2009/米)ヘタすれば鼻持ちならなくなる際どい題材ではあるが、一切脇目を振らない主人公が物語を担保する。そして、その担保を保障するのがブロックのカリスマであり、目力とタイトな衣裳が映画を駆け抜け支配する。オールドハリウッドの残滓の仄甘き香り。[投票(4)]
★4利休(1988/日)映画界の2巨頭の対峙に歌舞伎・映画・アングラ・素人を噛ませるコラボの絶妙。溝口的伝統を現在感覚で継承する小道具・衣裳の圧倒的真実味。だが、列挙される葛藤を常に正面から捉え続ける作劇に若干の抑揚があればとも思う。山崎の秀吉は真に絶品。[投票(2)]
★3瞬 またたき(2010/日)喪失された記憶をめぐるサスペンスな味付けは、中途から大塚寧々を必要以上にピックアップすることで拡散し強靱なベクトルは消失された。半端と言うしかない脚本だが磯村演出は端正で抑制されている。尚景子ちゃんが良いことは言うまでもない。[投票]
★5ブルーノ(2009/米)チャップリンみたく古式床しく自ら道化となり反権威や反偽善を謳いつつもディヴァインみたく破壊的で自壊的なコーエンのカリスマ。外したネタもあるが、場末のゲイバーの宴会芸は終盤のアーカンソーの真アナーキーなクライマックスへ結実する。[投票]
★4憎いあンちくしょう(1962/日)東京から九州までジープをブッ飛ばすことで何かが得られるなんて幻想だとは思うが、そういう幻想は映画の中なら信じてみたい。少なくとも映画内では皆それを信じて真摯そのもので泣かせる。中でも浅丘ルリ子の輝きは神懸かり的。[投票(3)]
★4瞼の母(1962/日)序盤は緩いのだが、忠太郎が江戸入りしてからは神懸り的に締まってくる。特に浪花沢村木暮と3連チャンされる錦之助との相対芝居はローアングル・ワイド構図・長回しの圧縮濃度に演技が拮抗し国宝級。だが終盤は又如何にもな唐突。[投票(3)]
★3ウルヴァリン X-MEN ZERO(2009/米)ミュータントたる悲哀もクソもないので、嫌気して逃避して絶望させられる表層的ドラマが全く琴線に触れない。終盤、どっかのサーガみたいに初作に連関するが放置された枝葉が気になる。まあ、飛んだり跳ねたり賑々しいので飽きはしないが。[投票]
★5終着駅(1953/伊=米)圧殺されるかの如き時間の切迫と同期する主役2人の別れる別れないの粘着情念の表出と、錯綜する大伽藍ローマ駅構内で行き交う人々の絢爛たる人間絵巻。その構成の妙に滲むイタリア映画の強烈な伝統的芳香。アルドのモノクロ撮影の望遠使いも完璧。[投票(1)]
★3コロンブス 永遠の海(2007/ポルトガル=仏)さほど興味もない景勝巡りも、いざ行ってみれば強ち嫌でもなかったという既視感。オリヴェイラ本人はコロンブスに並々ならぬ興味があるだろうに、それを一切押しつける気も無さそうで、そのことにも充分自覚的らしい。達観だけが呈示し得る謙虚美。[投票(1)]
★5ローラーガールズ・ダイアリー(2009/米)流されてるようでいても正念場では主体的に「決める」ことを繰り返し描き、何かを得る為には何かを棄てないといけないことを正確に描いている。何度も描かれた物語だが、競技に打ち込む小柄なペイジの躍動感がドキュメンタルに物語と同期し感動的。[投票(6)]
★2儀式(1971/日)図式的物語に必要欠くべからざる荘厳さと強固な緊張の欠如。SEXと右翼イズムに傾倒する大島の湿った情緒が充満する。バジェットに対する戦略不在がもたらす成島戸田の最高タッグの最悪の凡庸。河原崎中村佐藤が又薄いのだ。[投票(1)]