とにかく衝撃的な映画でした。ずっと見たいと思っていてやっと見ました。しかし、こういう映画だと思っていませんでした。見終わったあと、しばらく何も考えられなかったというか、映画の世界に浸ってしまったというか。

　イ・ビョンホンはあまり好きでないのですが、この映画の中で見せる大学生の頃と高校教師になった後の演技がよかったと思います。特に教師の頃のクールさ。そしてそのクールさを失っていきと惑うさま。

　韓国って輪廻とかそういう思想が強いのか、映画でも生まれ変わりとかっていうのが多いですね。その思想のなかで生まれる不思議な話だと思いました。

　最後については、「えっ！？」って思いましたが、会話を聞いていると、「2人が幸せになるためにはこうするしかなかったのかな」となんだか変に納得させられました。最後のタイトルにもつながるこの展開が、実は結構この映画の全てではないかと思います。きっとずっと忘れない映画になりそうです。

　2人は2人でいたくても、理屈では分かっていても、なかなか難しい世の中だと思います。また、教師という仕事柄、とにかく「まとも」であることを求められてしまいますからね。どこの国へ行っても、教師は「聖職者」でなければならないのですよ・・・。同性愛なんて、もってのほかと思われるのでしょう。

　ときどき思うのですが、教師って人間が好きだからやってるんだと思うんですよね。女とか男とか関係ない。そういう人柄だからこそ男女問わず魅力を認めることができるからこそ、彼に自然と惹かれていったのだと思います。彼の中の何かが彼女に気付いて2人は惹かれあったんだと思います。そして、真面目に考えるからこそ、あの結末になったのでしょう。教師でなかったら、こういう展開はありえなかったでしょう。よく練られたストーリーだったと思います。

　イ・ウンジュは大好きな女優ですが、この映画のように自ら死を選んでしまったこと、大変悲しく思います。彼女の死に関しては、この映画とは違い、ただただどうにかできなかったものか・・・と悔やむばかりです。