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[コメント] フレンチ・カンカン(1955/仏)

大阪万博と関連して・・・
YO--CHAN

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







小学生の頃、これをTVで観ました。

子供のため、カンカンを見てもどうってことなく、名優アルヌールの名も知らず、男女のドラマもなんも分からないというかどうでもいいガキだったのにも関わらず、かなり嬉しく見ていた記憶があります。親にはちょっと怒られましたが(汗)

改めてDVDでもう一度観ても、全体に広がる歓喜の人々、待ちきれず会場に殺到する観客、我先に踊りたいとやってくる女性達、など圧倒的な「歓喜」に圧倒されました。

もちろん、こういう構造の映画はいくつもあって、丁寧なつくりの作品も多い。

ただ本作が子供にもよかったのは・・・なんというか、原初的というか、好きだからというか、今時の映画だと例えば「○○の灯を消してはならない」とか「30年の私の踊りを」とか「じっちゃんが始めた○○を」みたいな、まっとうな理由があって、それを10分くらいかけて描写して・・・とかですよね。「なにかの為の踊り」という感じです。本作は、なんだかんだ言っても結局「踊りたい」「ここでカンカンを」といった原初的な動機がすべてという印象があるんです。少なくともジャン・ギャバン演じる登場人物にとって、カンカンは手段じゃななく、それそのもので目的ではないかと(笑)。自分はこれを見て、なぜか1970年の大阪万博に似た印象を受けました。

大阪万博の記録映画のラストには、万博スタッフの女性が、閉会式パレードを取り囲む何万の観客に手を振って会釈して笑顔の中で駆けてゆくという素晴らしいシーンがあります。映画「フレンチカンカン」のラストがまさにそうでした。しかもこちらは終わらない。踊りながら、最高潮のまま「FIN」なんだから。(てっきり翌朝のシーンに移って、とか思ってた)

(評価:★5)

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