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[コメント] カンフーハッスル(2004/中国=香港)

ラストで、不覚にも胸にぐっときてしまった自分は少数派? スミスやツインズ相手に繰り広げる「ありえねーアクション」もよかったけど、それは…この監督の「文法」だ。
YO--CHAN

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







飛行機の中で4〜5回は観てしまった。(スチュワーデスさんに変に思われたかも;)

正義の味方になったつもりが、実は女の子一人守れず、ボコボコに殴られ小便まみれにされたトラウマ… それを克服し、十何年ぶりかで手を差し伸べることができるラストは、何度見てもぐっとくる。

通常、この手の話には、「根性と特訓」とか「サイボーグ化」「仲間」「自己分裂」などなど、それらしい手段がつくけれど、本作におけるそれがわかんない。 割拠区、ネオの様な救世主だったのかなあと、ムリヤリ映像で納得してしまうわけだが…それでもきちんと感動してしまうのはなぜか?

謎だ。

羊たちの沈黙』の「ドア開けフェイント」や、『バロン』の超高速走行・弾止め、そして『マトリックス』などなど、敢えて使ってみせる茶目っ気も謎…

(ついでに、チャン・イーモウ監督も!?)

あの「金縁メガネの男」が象徴するものは何だろう?

あの「赤い洪水が突然!」の妄想は一体何だったのだろう?

幾度も繰り返される「ちゃんと中国語で喋ってくれ」というセリフの裏の意味は?

きっと何かを暗喩していると思うのだけど、今一つはっきりとはわかんない。

<余談>

本作はかなり『マトリックス/リローディッド』を意識させる。それも「オマージュ」なんてものじゃない、第二作以降の「劣化」に対する抗議ともとれるパクリ方だ。

「ふーん、人が大勢飛んで、救世主で? そんなの俺でもできるよ」

というか…もしやチャウ・シンチー監督も、『マトリックス』第二作に期待して裏切られた一人なのではないかという気がする。

彼は、無類のカンフーファンだと言っているけど、それ以前に(『食神』などを見ると)虚実のギャップを描く監督という気がするんだけど…買いかぶりか(笑)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)さいた けにろん[*]

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