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[コメント] 世界の中心で、愛をさけぶ(2004/日)

柴咲コウがスクリーンに現れると周りの客が一息つくのがわかった。そして、若い二人のシーンに戻ると、すすり泣きが再び場内に広がっていった・・・「若さ」。ただそれだけの事実は、どんな名優の演技にも勝る。
raymon

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「なんだよ!なんだよ?泣かすことを前提にした映画なんか観てられっかっ!」

半ばバカにしつつも、結構楽しみにしながら劇場に足を運びました。

「おいおい、いくらなんでもスカート軽過ぎだろ!」

「単車に二ケツで胸押し付けるなんて、今どきヤンジャンでもやんねーよ!!」

と、あまりにベタな(=心地よい)前半の展開に嬉しそうにニヤつき、佐野元春「SOME DAY」にのって、農道を叫びながら「タンデム」するシーンには、自分の遠く過ぎ去った二度と戻らない高校生活をかえりみて、嫉妬と羨望のうれし涙を流しました。

そう・・・映画の中の朔太郎と一緒に僕は亜紀に恋をしていったのです。

「女子供の映画だと思ってバカにできねーじゃねーか!?」

どっぷりと感情移入した僕にとって、後半はつらい。写真館で亜紀(長澤まさみ)の花嫁姿を目にした朔太郎が(森山未來)涙を流す・・・なんとあざといシーンだろうっ!!

しかし、自分が高校生で、死期が迫った彼女が「雪のような花嫁衣装」をまとって眼前に現れたら、「ただひたすらに泣く」それ以外の行動があるのだろうか?とても不器用で、リアルな朔太郎の涙はとても自然で、すんなりと心に染み入ってくきました。

この物語は荒削りで稚拙な話です。もっと良い映画になる方法はたくさんありました。でも、それを体現したような長澤まさみ森山未來の純真で不器用な演技は、良い意味でこの映画ふさわしかったです。願わくば、また別の映画で二人の競演を見てみたいです。

大沢たかお柴咲コウは若い二人に完全に食われてましたね。でも、仕方ない。例えどんな名演でも、「若さ」という輝きの前では、かすんでしまうものです。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (11 人)ペペロンチーノ[*] おーい粗茶[*] sawa:38[*] JKF[*] ナム太郎[*] まりな[*] 映画っていいね[*] ねこすけ[*] ことは[*] ムク 緑雨[*]

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