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[コメント] 隣人は静かに笑う(1998/米)

今まで観た映画の中で最も後味の悪い作品。内容が酷いとか陳腐という意味ではなく、むしろシリアスで脚本も非常に緻密だからこそ、余計に後味が悪い。キャスティングが見事で誠実そうなブリッジス筆頭にベストキャスティング!。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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真実を追究するのに周囲は誰一人として信じず、どんどん相手の策略にはまり窮地に陥る主人公。この手の設定は映画でも小説でも、状況違えどありがちだが、大抵、ラストで主人公が勝利を導くのが常。ところが本作はラストに至っても救われるどころか、主人公の死後も彼に汚名が着せられてしまう後味の悪さ!!。デッドエンドが嫌いなわけじゃないけど、ここまで見終わった後に腹立たしさの残った作品も初めて。ある意味、納得できない内容と裏腹に完成度のクォリティは認める。加えてキャスティングも見事。誠実なアメリカンのイメージぴったりのブリッジスと対をなすように、ぬぼ〜っと大きくて得体の知れない隣人をロビンスにキャスティングしたのがリアル。これがジャック・ニコルソンみたいな情熱型やケビン・ベーコンみたいな切れ型の悪役やゲイリー・オールドマンみたいなシャープな悪役じゃ駄目!。ロビンスは、その身体の大きさと緩い輪郭に得体の知れない不気味さを宿している!!。したたかさが見事に体現されている!!。女優陣は他でも代用出来そうだけどキューザックは頭が弱くて狂人の旦那に洗脳されちゃってる感は醸し出せている。冒頭の隣家の少年の火傷が事故だったのか、計略の一端だったのか考えるとゾッとする。本作を見るとテロリストに対する怒りは倍増すること間違いなし。唯一の難点は背が小さいと言えどもブリッジスが腕っぷしが弱すぎる点。窮地に追い詰められたら、もう少し力は出せるはず。また、隣家の事をちょっと秘密にし過ぎる傾向が嘘くさい。が、ここを突くと話が転じないんだよね…。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)プロキオン14[*]

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