日本なんかに、のほほ〜んと住んでいると母親に貧しいがゆえ売春を強要させられる少女の冒頭のくだりでガツンと衝撃を受ける。そして、そこから少女と弟の孤児院への護送の長い長い旅が始まる。若い兵士と幼い姉弟という不思議な道連れ同士の旅が時にユーモラスに時にハートフルに描かれる。けれどシリアスな視点も決して無くさない監督の構成力に舌を巻く。ロードムービーなのでイタリアの田舎などの風景が美しく絶品。ショービジネスの香りのしない木訥な子役たちの演技が感銘を呼ぶ。しかし子供が大人のせいで不幸な境遇に巻き込まれる問題は本当に悲しい。かく言う最近の日本でも幼児虐待が現実化し社会問題化ているのが忌わしい。世の親には絶対に見てほしいし、学生も教育を受けられる恵まれた環境を再認識し勉学に勤しむはず。必見。