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[コメント] ボーン・アルティメイタム(2007/米)

ファイト、だよ
たかやまひろふみ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







シリーズ一作目『ボーン・アイデンティティ』は別段悪くはないけれど、ユルい観光スパイ映画と言ってもよい内容だったと思います。なにしろ主人公のジェイソン・ボーンことジミー大西は、行きずりのおねーちゃんとヨーロッパを逃避行の果て、情が芽生えてニャンニャンおっぱじる始末。ところが監督が交代した二作目『ボーン・スプレマシー』ではニャンニャン無用、現場と管制室のみで構成される超硬質なアクション映画に生まれ変わっておりました。これプロレス団体だった藤原組がPANCRASEへ飛躍した、そんな驚きに近いものがありました。

本作『ボーン・アルティメイタム』も『〜スプレマシー』に負けず劣らずガチムチな作品になっております。危機的状況に陥ったボーンが瞬間的に判断して行動を起こす。観客のわたくしは判断理由が読めず「え、なんでそんなことするん?」と戸惑う。しかし次の瞬間にはボーンの行動による結果が披露され、「あ、なーるほど!」と膝を打つ。このスピーディな展開が大層気持ち良いのです。序盤のプリペイド携帯を使って指示を与える場面などその真骨頂と思います。

物語としての意外性には乏しいけれど、ボーンが求めた「真実」のビターな落とし所も好ましく、2001年以降のアクション映画として十全ですわーと思いました。

(評価:★4)

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