[コメント] めまい(1958/米)
もしこの映画をビデオで見るのなら一度音を消して見る事をお勧めする。「観る」ではなく「見る」ことを是非お勧めする。おせっかいにも。
たとえば、ルノアールの『ピクニック』に対して「プロットが甘い」とか、ロッセリーニの『殺人カメラ』に対して「トリックが古い」という印象さえ持ち得るのは、一見素晴らしく自由な映画の捉え方であるかに見えて、実はものすごく不自由でほとんど目隠しをして映画を見るに等しい行為ではないか。「サスペンス」というジャンルに徹底的にこだわった監督の映画を「サスペンス」として観ることは絶対に間違いではないだろうが、「プロット」「トリック」あるいは「マクガフィン」と構造を分析したところで映画には決して近づきはしない。キム・ノヴァクの完全な横顔に近づきはしない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (12 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。