コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] フレンチ・コネクション(1971/米)

フェルナンド、君は(やはり)こんな汚い金でトリスターナを養ったりコンチータを追いかけ回したりしていたのだね…。若い女が大好きなあやしいブルジョアを演じさせれば右に出るものナシ!な稀有な役者だったということを、再認識させて頂きましたよ。
tredair

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







電車の乗り降りでフェルナンド扮するシャルニエがポパイをまき、窓越しに手を振る場面は特に素晴らしい。直前のステッキ使いもあいまって、もうホントぞくぞくするぐらいイヤラシイのだ。うわー、ヤだよこのじいさん!老獪という言葉が服を着てそこに佇んでいるみたいだよ!

最後、橋で待ち伏せしていたポパイがさっそうと登場するとき、ちゃんとそのイヤラシイ仕草が拾われている。人間味に欠けてると言っても過言ではないぐらい冷徹なポパイが、ようやく見せる「茶目っ気」。何げに見せる、余裕ある状況ゆえのモノマネ芸。ポパイとシャルニエだけにわかる、その時の勝者側が使う秘密のジェスチャー。

あれは、初稿の段階から決められていた演出だったのだろうか。

私には、とてもそう思えない。地下鉄乗降シーンで見せたレイの演技から始まったものなのではないか、とどうしても考えてしまう。そう思いたい。

なぜならそう想定することで、このドラマはシャルニエ vs ポパイでもあるけれど、フェルナンド・レイ vs ジーン・ハックマンの演技合戦もさりげなくあるのかも、と思えて更にワクワク度が増すからだ。さりげなく、さりげなーくのもう一つの闘いが、実はもう一つあったのかもよ、と。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (7 人)ペンクロフ[*] けにろん[*] 3819695[*] uyo[*] maoP いくけん[*] ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。