[コメント] ロスト・ハイウェイ(1997/米)
「赤い部屋」から始まる物語。どこにいようが、誰になろうが、「じぶんの中の事実」はあとをつけてくる。
テレビ版のTPで大いにそそられた大衆は、『ローラパーマー…』で無情にも振り払われる。ファンの期待をはっきりと意識しつつ、あの仕打ち。デビッド・リンチは血気お盛んだった。2つ選択肢があるならば、難しい方を選ぶ人なんだろう。みずから選ぶ茨の道はなんて楽しそう。
『ローラ・パーマー』後のリンチはおそらく、正常な精神を保てないほど打ちのめされたはず。それでも「ロスト・ハイウェイ」を持って立ち上がる。しかも、この世とあの世の境界にある「赤い部屋」を盛り込んで。ほんっと、弱ってもリンチ、くさっても鯛、こういうところがすげえ嫌なやつと思う(ほめてる)。リンチは完璧に無頼の人だ。
「ロスト・ハイウェイ」には、ちゃんとしたストーリー、つまり他人にも説明できるような明快なストーリーはない。各人の解釈が可能な、視覚的・聴覚的トリップ・ホラー。美術学生くささが残る拙さは意外と狙いどおり?
あまりの悪評に、いままで手を出さずにきた。待つ必要は無用だったみたい。音楽がイカシてる。映像が壊れてる。実録 Radiohead。
これで感動したあなた、『ローラ・パーマー最期の7日間』も観てみよう。
*当方、販促活動による報酬は一切受け取っておりません。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (7 人) | [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。