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[コメント] 赤い靴(1948/英)

想像力と才気にみちた、せつなく妖しく美しい、威厳と風格を備えたB級メロドラマ(形容長すぎ)。
カフカのすあま

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ものすごい丁寧なつくりでバレエ製作と人物を追っているのに、やってることはB級メロドラマ。でもP&Pだよ。ただのBメロにおさまらない風格ばっちし。

やっぱそれは、劇中バレエの「赤い靴」の高い完成度あってこそ。バレエがうんぬん、というよりは、その当時ではイギリス映画にほとんどなかった天然色全開のイメージ構成的テクが効いているから(タイムアウトからの受け売り)だろう。

ちゃんと、しっかりとつくられたツクリモノは、現実よりはるかに現実的に私たちに迫ってくる。

だから、このバレエ「赤い靴」が「ストーリー」としてしっかりイメージに食い込んでくる。言葉がまったくないのに、一連のおハナシとして、私たちの脳裏と記憶に焼きつくから、二回目の主人公なしの‘幻の’「赤い靴」が鳥肌たつほどおどろおどろしく、せつなく妖しく美しいのだ。

その意味で、やっぱり文句なしの名作だ。

(評価:★4)

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