当然だが、青森で育った自分には「初雪」の時の思い出が沢山ある。そして長い冬を毎年経験した結果、雪にまつわる思い出達も沢山ある。沢山あるってだけで、たわいのない思い出達だと言えばそれまでだが、そんなでも、今までは毎年初雪を見ると真っ先に思い出すのは自分の思い出達であった。それが、今年は真っ先にフェリーニ。その事だけでも充分にこの映画の映像がいかに素晴らしい（というか強烈な）思い出であったかが判る。

素晴らしいのは雪だけではなかったが、１年通してどれも素晴らしく強烈な記憶の映像（たばこ屋はトラウマじゃないのか？）。「やはり、フェリーニは凄い」という衝撃が自分の記憶には残った。凄すぎてコメントが書けない映画であったが、今年のこの東京の初雪を見てコメントを書くに至る。現実は寒いんだな。かなり。美しいのはやはり記憶という媒体があってこそかもしれない。事実、自分の中の雪の記憶はやはりどれも美しい。