コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] インサイダー(1999/米)

昔のアニメは敵が巨大な悪の組織だった。それに敢然と立ち向かう主人公は元組織の一員。子供心に「そんな組織あるかいな(今ならアルカイダ?)」と思ったものだがここにあるわけだ、タバコ会社。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







と、言いつつこういうやり方はどうも好きにはなれないわけで。

個人=弱小、組織=強大

第3者から見ればどうやったって個人が組織に勝つことは出来ないから個人対組織の対決には大抵個人にハンデがあるように思える。そこで心情的に個人を応援する雰囲気が生まれる。個人が必死にマスコミに言う主張は真実味があるように思え組織が無機質に文面を代理人が読み上げる内容は捏造の様に聞こえるわけだ。

訴訟にはこういう側面が結構あるので実際問題はこの主人公がどれだけ正しいのか或いは胡散臭い人なのか判断しにくい。そして映画もまたタバコ会社が巨大な組織悪で個人の元研究員と一人の記者が敢然と立ち向かう図式を利用している所からもどちらに肩入れしているか明白だ。

この映画もこれを利用して悪:善=組織:個人を演出している。俺の見た昔のアニメと同じだ。別に争点そのものにハンデなんぞいらんのだよ。あるがままに第3者に裁定してもらう太っ腹な所が欲しいんだが。しかし世の中の多くの目立つ訴訟もこういった手法を使う。訴えるのが老人・女性で訴えられるのが国、なんてよく見る光景で。

そうなると逆に演出過多に陥っている様に思えてくるから不思議なものだ。俺ですらタバコは害であり当然なくなってもいいと思っていてもこんなプロパガンダっぽいものに踊らされるのは御免だと思えてきてしまう。あと奥さん。夫のやる事に無理解っぽい演出だったけど現実はそうじゃないだろう。本物はリアルでダメ親父だったっぽい。それを後からそういう理由付けしたんじゃない?いやあくまで推測ですけどね。

あー、たまに逆の映画出てこないかな。善良で巨大な国家が凶悪な個人に敢然と挑むやつ。あ、アメリカ対ビンラディンか。やっぱ演出弱

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。