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[コメント] 鉄道員〈ぽっぽや〉(1999/日)

久しぶりの演歌大ヒット曲。あらゆるジャンルで程よく売れて欲しい俺としては嬉しい。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







マスコミ関係には各世代の好みの傾向やバックボーンとなる時代から推察される考え方などが 資料としてある。それに合わせてある特定の年代をターゲットに商品企画がなされるのは 当たり前だけど、この映画はその範囲を昭和一桁〜25年生まれの男性に限定しているようだ。 (つまり公開時75〜50才、健さん公開時68才)

ここのサイトにはつまらないと感じる人が多いのに映画は大ヒット。これですよ、正しい商品企画というのは。オヤジ達が作ったオヤジ向けの映画。

邦画界で監督や企画立案するのは4,50代の男性達中心に感じる。似たような価値観の人達ではいくらがんばろうが琴線に触れる人たちの範囲は狭い。 結局4,50代の彼らはヒットするために「手探りで他の世代にも当たるように 全てをほどほどにした作品」を作らなければならなくなっている。ま、古い体質が残る 業界っていうのはどこもそうだと思うけれど。

これじゃまずいってんで担当させる人材を一気に若手中心に置き換えるという典型的な反動的パターンも あるのだけれどそれは邦画には非常にまずい。というのは

単に担当が若くなっただけなら若年層にしか受けない作品群になる(映画産業は全世代がお客)

市場競争が激烈になり(つまりアメリカ映画と真っ向勝負となるので)思ったほど集客出来ない

結果として若い彼らもまた 「手探りで他の世代にも当たるように全てをほどほどにした作品」を 作らなければならなくなってしまうのだ。 (30才の監督に健さん世代をも満足させる作品を作れというのは土台無理)

こういった事を考えると日本の音楽界も似たようなものだと感じる。 需要はどんな年齢にもあるのに20代前後のみにターゲットを絞り現場もそういった連中で 溢れているところだ。これって健さんや裕次郎が全盛だった邦画界を思い起こさせるんだが。

ある世代の一部の人達に受け入れられるだけでこれだけヒットするんだ。邦画には ターゲットを絞りきれていない中途半端な作品が多くてイライラさせられるが 2,30代の人が多いこのサイトで反発されるのは悪い事ではない。それは この『鉄道員』、日本のポップスシーンでいくと久しぶりに当たった良質の演歌という 位置づけになるからだ。

ちなみに広末を入れて少しでも客を増やそうというのはどうかと思うぞ。「広末が 来るってんで健康ランドに行ったら演歌歌手ばっか出てきて殺意を覚えた」 っていうのに近いんじゃないか?ここはNHKの連続ドラマ辺りの人気若手女優を使うべきだった。

ちなみに俺は泣いたな〜。特に広末がいなくなったあとご飯だけが残っているシーン。素直に良い演歌だと思った。

(評価:★4)

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