[コメント] 星を追う子ども(2011/日)
パクり比重の配合失敗
新海監督はアニメ監督なのだけど持ってくるネタは他ジャンルから結構精密に研究してくる。絵が異常に綺麗なのは写真が動いているイメージから作っているからだ。
元々、映画は写真が動くという発想からきているわけだが映画界は舞台が映像化される(沢山の客に見てもらえる)というウマ味の方に比重が寄ってしまい写真派は重視されなかった(3Dテレビみたいなもん)。監督はそれをアニメで再びやっているわけだがつまりはその視点で言えば「写真家がアニメ映画監督になった」とも言える。
だから今回の様な写真にはない仮想世界風景になるとかなり厳しい。こういうのはジブリの様な本物のアニメーターの領域になる。ラーメン屋のカリスマ店主がパスタ界に乗り込んだみたいな。いつものロケ写真→アニメ化ではなく脳内イメージ→アニメ化では一番の売りであるリアルな映像美まで犠牲にするわけで更にシナリオはやはりジブリ他からもらってきた脚本のパズルの組み合わせでありなまじファンタジー世界だけに自由度が大きすぎて逆に持ちネタが少ない中学生的アニメチックな狭い世界に終始してしまった。
フグの毒を食ってしまった感があるがこの職人、また考えなおして再トライするだろうから楽しみではある。多分次もしびれるはず。これがたまらない。
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