コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 雲のむこう、約束の場所(2004/日)

背景と設定だけで(つまりDVDの表紙だけで)「これは凄そう」と思わせるのは才能があるって事だと思う。タイトルはアレだが。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自分の知らないお店(洋食)があったとしよう。入るには当然躊躇する。そういう時にどうやって判断するのか。当然お店の雰囲気で決めるだろう。おいしそうな雰囲気か、料理人がプロっぽいか、食べてて心地良さそうか、などなど。

この映画はこの点で「入ってみよう」という気にさせる。この先は言わんでも分るだろうが「でも食ったらまずかった」というオチになる。全くもって良くある話だ。

-------------------

洋食系で見てくれが良くて味がイマイチなパターンってのはどうもイタリア料理店に多いような気がする。恐らくだが日本人の中に「イタリア」ってのは非常に美化された雰囲気を醸し出しているわけでそれが店のインテリアに反映されているのだろう。ところがイタリア料理自体にはそこまでの思い入れが食べる方にも料理する方にもないと言える。このギャップがこういう事態を生んでいるのではなかろうか。

新海監督もこのパターンだと言える。監督がどこかのお店に行ってもインテリアばっかり見てコーヒーだけ飲んで帰ってくる客の様な気がしてならない。そう考えると彼が目指しているのはコーヒー専門店なのかもしれないな。客は色々な料理を期待するだろうけどメインはあくまでもコーヒーであって何回行っても又コーヒーかよみたいな。

--------------------

しかしあの塔の企画は良かった。当然こっちからすればアレが何なのか確かめたいわけだし少年達がヒョロヒョロと自作の飛行機で飛んでいくだけで充分だったと思う。ただここからが問題だ。「博士が異世界との接触に成功してその鍵が孫の女の子にある」なんて設定は余りにハウスバーモントカレー的な定番だった。

店の雰囲気は最高、インテリアも良く練られている、コーヒーばっかりだと何だから軽い洋食もある。でもそれがバーモントカレーじゃどうなのよ。秀樹だって感激するかどうか。

*ちなみにバーモントとはアメリカの北東部の小さな州名でそこの博士が'50年代に「林檎酢と蜂蜜が体に良いっ」と広めて有名になったらしくそこから名前が決まったようだ。実は最近これを知ったのでそれを書きたかっただけ。

*この前実家に帰ってきたのだが青森駅の蟹田行きのホームに立ち「おー、ここがあのシーンの」と。俗に言う聖地巡礼。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。