ちょっと聞いてくれますか。いつもアホ話で僕を楽しませてくれる友達が、またオモロイ話を聞かせてくれたんですよ。それが宇宙人と宗教っていう２大トンデモワールドを股にかけて頭の足りないアホ兄弟が困った顔で駆け回るていうこれまた壮大にくだらないお話で、しかも最後はまさかの逆転サヨナラホームランで大団円！ていうこれまた壮絶に痛快なオチまでついちゃうていうサービス精神過剰すぎる小話で、ボクのためにこんなお話考えてくれてありがとうインド人！というくらいツボを突かれて（笑）とか（Ｗとか（爆）とかでボク大変だったわけですが、ふと冷静にもどって背中がゾクッとしたのです。

「もしかしてアイツ、マジだったのかな…」

もしそうなら笑っちゃって悪かったかな、ていうかなんかアイツがすげえ遠くに感じるな…とか考えながらアイツの顔を思い浮かべてみたのですが、「やっぱどー見てもマジには見えない」のです。それでボク安心してまた思い出し笑いを続けることができたのです。「屋根につったっていた人影、どー見ても体格おかしいよ！」「アホ兄弟が並んでソファーに深々とこしかけて同じポーズと同じアホ面でテレビに見入ってるよ！」「白昼堂々とあんな緑色の人が裸で街中を！しかもこっち見てる！」「こないだローマ皇帝のかっこしてたくせにキスチョコ型の銀紙帽子をマヌケ面でかぶってるよ！」「食事中に逆ギレしたー！」「インド人！インド人が珍妙な顔で変なこと喋ってるよ！」「古典的な方法…て『オズの魔法使い』かよ！緑色の悪い魔女だったのかよ！なるほど「我が家がいちばん♪我が家がいちばん♪」だね！？」「つかそっちかよ！！」

なるほど。だんだんわかってきました。宗教的な神についてマジで描いている可能性はまずありません。ご安心を。だって「こんな映画みて本当に宗教に目覚める奴なんて世界中どこ捜してもいねえ！」からです。宇宙人に関しては言わずもがな。「あんな無防備なカッコで結局なにしにきたんだアイツら！」という意見で全会一致しております。ご安心を。ではこんなトンデモ他人丼な舞台でインド人はなにがしたかったのか。単純に「いやsignてそっちかよ！（しかも野球のサインともかけちゃっててかけすぎだよ！）」がしたかったのか？それとも「家族愛」を描きたかった？いやそれも実は全然収束してません。アホ兄弟の兄のほうがようやく「神」の出したヒントに気づいてステージクリアしただけです。全ては「神」の手の平の上。そう、全ては「神」が仕組んだことだったのです。最後、アホ兄弟の兄のほうは「神」の存在に気づきますが、その「神」＝あの世界での全知全能の神、要は「インド人」だったのです。インド人のジサクジエンでした。それならあの役どころも納得です。全ての発端である事故を起こし、タイミング良く思わせぶりな電話したり、弱点をそれとなく教えたり、キッチンであれを飼っていたり、演技が不自然だったり、納得です。宇宙人大襲来は、そんな「神」のヒントを並べた小ネタ風呂敷に無理矢理説得力をもたせるために、より大きな大風呂敷仕掛けを広げただけに過ぎません。だからただやって来てただ去っていくだけの天災と同じ描かれ方なんですが、それだったら普通の天災でもいいじゃん！なんて言っちゃだめです。なんたって相手は「神」なんですから、それ以上のトンデモを持ってこないと最後信じてもらえません。「トンデモをもってトンデモを征する」のです。さらにこの映画にはもうひとつのテーマ（心意気）が隠されています。「トンデモ捕りがトンデモになる」。ネタかマジか！？観てる側にとってはネタにしか見えないんだけどやってる側はなんだかやっぱマジっぽいよ！？となんだか心配になってくる、そんなトンデモ系の真髄をあのインド人は身体を張って実演してくれたんだよ！すげえよ！でもそんなん自主製作でやれよ！

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「シャマラン先生ありがとう　いつも面白い映画を撮ってくれて…」（c:漫★画太郎）