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[コメント] マッチポイント(2005/英=米=ルクセンブルク)

IT'S A MAN'S MAN'S MAN'S WORLD!

「本当に男って勝手な生き物!!」

「男の頭の中って、セックスのことばっかり!!!」

「なんで男って金と名誉なしで生きていけないの!!!」

おそらく、この映画を観た多くの女性たちはそんな感想を抱いたんじゃないだろうか。

結局のところウディ・アレンの映画とは、男の身勝手がひたすら暴走し妄想し迷走する男のための男の映画だった。『マッチポイント』についても、妻でもなく愛人でもなく本当に愛しているのは自分=オレだけ、という男の身勝手に振り回された女たちの悲劇である。ただ、これまでの多くのウディ映画には「でも、男って、そこがかわいいのよね」と女性に勘違いさせてしまうような、適度なウィットとユーモアが散りばめられていた。のだが、今回はそんなものは一切なし。ある意味で、これまでで最も男度数の高い、男汁満点の、男の、男のための、男による映画であり、「男と女は永遠に理解し合えない」という残酷な真実さえもウディは突きつけている。

そういう意味で今回のウディは少し残酷かもしれないが、本当に残酷なのはうわべだけの優しさだってことを本当の優しさで教えてくれているのだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)サイモン64[*] 緑雨[*] けにろん[*]

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