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★4 | 石中先生行状記(1950/日) | このおおらかな作品は、夏の夜のんびり見ることを奨める。ものすごくくつろげる。
| G31 | [投票(1)] |
★4 | 月曜日のユカ(1964/日) | 貞淑なのに淫蕩。こだわり強い割りに気も変わりやすい。頭でっかちなのに柔軟。両論併記を絵に描いた矛盾に満ちたキャラクターが、ちょっとはれぼったい唇と小鹿のようなまなざしと折れそうな細いネックラインで造形される奇跡のヒロイン。「いまどきの女の子」の遠い先駆。 | ペペロンチーノ, ゑぎ, きわ, ぽんしゅう | [投票(4)] |
★2 | アレクサンダー大王(1980/伊=独=ギリシャ) | 撮りっぱなしの様な画面だが、色や光の計算は実に入念。格調の高さはライオンなみ。鈍重さは象なみ。(←致命傷) | けにろん | [投票(1)] |
★3 | 大菩薩峠 竜神の巻(1960/日) | 中村玉緒の独壇場といってよい一編。1960年代のカラーフィルム画調が既に看取されるが、一世代前のこってり感もいまだ残り、それに透明感も加わるこの時期の画調の美しさは筆舌に尽くしがたい。炎の色は完璧。この炎は勿論中村玉緒の情炎を象徴する。 | 水那岐, ゑぎ, ぽんしゅう | [投票(3)] |
★3 | 大菩薩峠(1960/日) | 田宮伊右衛門系色悪の系譜に立つ市川雷蔵の着流し姿の美しさ。堕落を衣装と化粧に象徴して見せた中村玉緒の美しさ。思い切った俯瞰からのアングルが超モダン。編み笠をかぶった机龍之介が扇子を仰ぎながら炎天下を歩く構図にはあっと唸らされた。 | ゑぎ, ぽんしゅう | [投票(2)] |
★3 | クジラの島の少女(2002/ニュージーランド=独) | 結局のところ、「世界を救うのは、女性か、あるいは男性である」という当たり前のことをえんえん語られていたような気がする。どこからも出発していないし、どこにも到着していない。にもかかわらず、この映画は成功した映画なのだ、という不思議。 [review] | 水那岐, TOMIMORI, 緑雨 | [投票(3)] |
★2 | 新・平家物語(1955/日) | 建てられた瞬間から朽ち果てている大伽藍。 [review] | 水那岐, 直人, けにろん | [投票(3)] |
★3 | マンクスマン(1929/英) | メロドラマの基本骨格そのもののようなストーリー展開。古色蒼然とした演技ではあるが、心理はすごく伝わる。可憐さと執念の強さを同時に表現できるアニー・オンドラに注目してほしい。 | きわ | [投票(1)] |
★3 | ニュー・シネマ・パラダイス(1988/仏=伊) | 映画ファンに媚び売っている気がする。ノスタルジアとは、ふんだんに使われると下品さが露呈する安い香水のようなものだということがよくわかる作品。フィリップ・ノワレはいい。 | モノリス砥石 | [投票(1)] |
★5 | バッファロー’66(1998/米) | 非現実的に優しいクリスティーナ・リッチと現実的な凡人ビンセント・ギャロのかけあいがおもしろい。 | おーい粗茶, SUM, ことは, ぱーこ | [投票(4)] |
★2 | 火刑台上のジャンヌ・ダルク(1954/伊=仏) | 天から降りてくる、或いは天に昇るというイメージの創造に見るべきものがあるにしても、意図的に舞台劇的な演出やローアングル撮影で映画的な興奮を掻き立てられることはなかった。笑顔のジャンヌ・ダルク像は、異彩を放つという次元を超えてとにかく異様。 | 太陽と戦慄 | [投票(1)] |
★5 | 海辺のポーリーヌ(1983/仏) | 車がフレームインしてポーリーヌが門を開く冒頭から最高だ。海辺に主要人物がいともたやすく出そろうシーンも、その後の手際よい人の出入りも映画揺籃期に立ち返ったような美しい単純さを持つ。夏草の何というエロティックさ。周到さと即興性の黄金率的混交。 | ゑぎ | [投票(1)] |
★5 | シッピング・ニュース(2001/米) | 爽やかに泣かせる正調ハルストレム作品。脇役まで完璧な布陣。この映画における死は、次の生への期待を含むさらりとした軽みをもつ。一人の生き死になど何事もなく受け止めて動じない自然の描写がじつに素晴らしいからだ。
| これで最後, m | [投票(2)] |
★1 | どですかでん(1970/日) | 超一流(=天才)の映画作家は自分のできることとできないことを正確にわきまえているが、一流(=秀才)の映画作家は努力すれば何でも可能になると考えているということが、はからずもこの作品を見て分かる。 [review] | おーい粗茶, 直人, 水牛太郎, sawa:38 | [投票(4)] |
★4 | 間違えられた男(1956/米) | 「息を呑ませる」劇的事件の瞬時の勃発としてのショッカー映画と、「息詰まる」ぎりぎりの極限状況の連続的継起としてのサスペンス映画の違いを明確に示したこの映画の価値は永遠だ。観客のエモーション・コントローラーとして最高位に君臨したこの監督の真骨頂が本作を見れば分かる。 | くたー, ゑぎ | [投票(2)] |
★3 | ロープ(1948/米) | あんまりおもしろくない。努力はすごいがやはりこの映画の実験は実験に過ぎない。映画におけるカット割の重要性が反面教師的にわかる。見直すと、あの二人は間違いなくホモの設定である。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★5 | 用心棒(1961/日) | なにかをこてんぱんにしてやりたいという願望が、この映画によって当然のことだが擬似的に、しかし完璧に成就する。純粋なカタルシスとは、この映画の鑑賞直後の観客者の状態のこと。怒りという感情が奔馬のごとく疾駆する様子を見よ。 | chokobo | [投票(1)] |
★4 | 推手(1991/台湾) | これだけ完成度の高い処女作品も珍しい。人種、世代、渡航経験、性別、キャリア、年齢これらが違う人たちに必ず発生するずれの有様が実によく分かる。その分からせ方の手順の組み方、目線の高さ、ユーモアの加減、テンションのかけ方がすべて、程良い。 | ナム太郎 | [投票(1)] |
★3 | 鍵(1959/日) | 昭和戦前世代の夫婦の閨房生活の新趣向に一世代下の実の娘とその婚約者が加担してしまうという筋書きだけで、この原作の映画化の無謀は保証されたものと思ってみていたら、予想外の健闘ぶり。京マチ子と中村鴈治郎が砂上に楼閣を描いて見せた。
娘敏子を演じる叶順子は、性意識表現に隠微さが要求され、さぞ難しかったろう。 | ペペロンチーノ, 3WA.C, けにろん | [投票(3)] |
★4 | 柔らかい肌(1964/仏) | 文芸評論家のちりちりとした焦燥感に寄り添って共感することも、男の優柔不断さの描き方の細部に抜群のユーモアを感じることも自由。多様な観客の映画鑑賞の多様さをすべて受け入れて、なおかつ玲瓏と輝き続ける上質の銀器のような出来栄えにうなるのみ。 | ゑぎ | [投票(1)] |