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[コメント] トイ・ストーリー3(2010/米)

本シリーズの天才性はこの状況とキャラクター設定にあるが、この実に魅力的な設定を継承しつつアンディの成長という玩具にとって宿命的なテーマを導入することで、玩具たちが文楽人形に匹敵するほろ苦い哀感を湛える受容器に成長している。
ジェリー

玩具である事を自覚しそのことに満足しつつ、人間以上の感情と倫理と情熱と信念をもってその運命を生き抜こうという姿勢と行動が、共感のみならず尊敬を喚起するがゆえに我々はこの玩具たちに涙し、玩具たちを愛するのだろう。

一方でこの玩具たちは、人間的要素をとても心地よく放棄してみせる。スペイン語モードになったバズ・ライトマイヤーという設定の何と面白いこと。ピースパーツのはずれるポテト・ヘッドの何と可愛いこと。この映画の状況設定がもたらす唯一無二のユーモラスなエピソードの導入がこの映画をどれほど豊かにしているだろう。(玩具のアニメの癖にNGシーンを挿入して見せた第2作のラストシーンの演出の切れ具合は、こうしたギャグの白眉かもしれない)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)jollyjoker chokobo[*] 3819695[*]

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