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[コメント] 雄呂血(1925/日)

話の展開があまりにも理不尽に過ぎる、と以前ビデオを観たときにコメントを書いたが、スクリーンで観直し、アラはそれだけではないことに気づいた。[新文芸坐/サウンド版+ライブ活弁]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







そもそも平三郎という侍、「俺は本当は善良な人間なのだ、何故誰も分かってくれないのだ」とか言いつつ、分かってもらおうとする努力を何一つしていない。奈美江のもとに忍んでいって弁解しようとする時ですら、相手が話を聞いてくれないとみるや実力行使に及んでいるではないか。

本当に自分が善良な人間だということを理解してほしければ、自分で証明するしかないのだ。道路の掃除でも他人の手伝いでも何でもすればいい、とにかく態度で示さねば分かってもらえるはずがない。受け身になって「分かってくれない世の中が悪い」などと考えるのは浅薄だ。

ビデオで観たときの★3から★2に格下げしようかと思ったが、喋るところは喋り黙るところは黙る、ライブの活弁(沢登翠氏)が素晴らしかったのと、もしかしてこの作品製作当時は無実の者があらぬ汚名を着せられるような社会で、この映画はそれを暗に批判していたのかも知れないなどと気を回し、採点は据え置きとする。

(評価:★3)

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