[コメント] ミルク(2008/米)
ハーヴィー・ミルクという男に惹かれた男たち、そして嫉妬した男たち。[シネカノン有楽町1丁目1/SRD]
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ゲイとして初めて公職に就いたミルクといえど、やはり完璧な人間ではない。「派閥は嫌いだ」と発言していたミルク本人が、その政治活動が深まるに従い、やがて派閥の一員となっていく。
彼と同じ理念を共有していた仲間たちはそれでもよかったのだろうが、政治家ではないひとりの人間としてのミルクを必要としていたジャック(ディエゴ・ルナ)は首を吊り、ミルクと協力したいと思いつつもそれが叶わずに裏切られたと感じたホワイト(ジョシュ・ブローリン)はミルクに銃弾を撃ち込むのである。言わば、ミルクという人間に魅力を感じながらも、その“変節”に嫉妬した人間がそれだけいたということだ。
そう考えると、スコット(ジェームズ・フランコ)がミルクのキャリア途中で袂を分かったのは、もしかすると正解だったのかもしれない。長い付き合いだったスコットのことであるから、最後までミルクと行動を共にしていれば、まだ別の悲劇が起こっていたかもしれないことは想像に難くない。
ハーヴィー・ミルクという人物について、この作品を観るまでは「ゲイ活動家」という程度の知識しかなかったのだが、上に挙げたような周辺の人物を通して、本人の人物像というものが多少なりとも分かったような気がする。もっとも、ストレートの自分にとっては完全には理解できない部分もやはり残っているのではあるが。
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