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[コメント] ローマの休日(1953/米)

恋に落ちるのに24時間もいらない。
BRAVO30000W!

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 既にいろんなレビューあり、いろんな裏話あり、いろんなコメントありで今更書くほどのものでもないんだけど、ふとこの映画の人気を見て思うのは「みんな劇的な出会いと別れに憧れているのだな」ということ。

 冷静に考えてご覧なさい。この映画に含まれた様々な隠喩は置いておくとして、アン王女がうぶだという前提だったとしても、一晩泊めてくれて一日街を案内してくれて秘密警察から守ってくれただけでチューですよ。男側からすれば、特ダネの元という前提があったとしても、単に「すげーかわいい」からチューですよ。もう、動物的本能むきだしなわけですよ。敢えて人間的な感情を持ってくるとすれば「フィーリングが合った」というだけですよ。

 でも、身分が違う者同士だから、最後は別れざるを得ない。で、ローマが一番良かった、とか言われて見ている方は号泣ですよ。ええ、私も泣きましたよ。おいおい泣きましたよ。でも、後になって考えるとなんで泣いたのかもよく覚えてないわけですよ。まあ、「愛した人との別れ」に弱いからという「泣きのスイッチ」は自覚しているけど、じゃあ、あの短時間で愛はあったのか、ということですよ。

 あったんですよ。あったと信じたいんですよ。だから最後のシーンに泣く人は出るし、普及の名作扱いを受けるんだろうね。やったもの勝ちというか。

 と考えると、沈没シーンが撮りたくて恋愛要素を適度にまぶして客を集めた『タイタニック』と大差はないのかな。とか書くと怒る人出てくるかもしれないけど、人間て単純な方がいいんだと思うよ。やっぱり。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] りかちゅ[*]

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