[コメント] プラトーン(1986/米=英)
やはり戦争を知らない子どもたちの評価は文字通り賛否両論。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ベトナム戦争は所詮日本人にとって対岸の火事のようなもの。そういう国でも観てもらうためにはドラマ性というよりも、明確なキャラクター相関図を持ってくるに限る。
つまりは「わかりやすい善」「わかりやすい悪」を国家レベルと人間個人レベルに落として物語を構成している。この構成だと多くの人が感想を述べられるようになる仕組みができあがるのだ。
これが人間関係が複雑だったり、シチュエーションが複雑に設定したものを見せると、多くの人が混乱に陥ったり退屈したりする。
その点において、この作品は優れた構成力とわかりやすいキャラクター相関を持ってきて、全世界に話題を呼ぶ大作となったのだ。
だから「この映画に戦争の悲惨さを観た」というのも「この映画は戦争を美化しているのか」というのもある意味では正解だと思う。物語の善悪を観客が決めることができるようになっているからだ。
殊更冒頭に述べたように対岸の火事国である日本の民は、どっちも好きなように言うことができる、正にコメンテーター向け作品と言えるのではないだろうか。
更には、私のような構造分析紛いのことを鬼の首を取ったように言わしめてしまう作品でもあると思う。
ということで、これは賞を採るようにできている「よくできた作品」です。お見事。
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