戦争と自然破壊が密接に関係してくるところや､キャラ設定などは同じ宮崎監督の『風の谷のナウシカ』とだぶるというかほとんど類似している気がする｡

『風の谷のナウシカ』と比べると結構ハードな展開も多く､シリアス度は高いが､主役キャラとしてアシタカを配置している割には､物語中盤までは傍観者的な役回りが多く､後半になってシシ神の森を守ることに迅速するのだが､今ひとつその活躍が伝わってこない｡

主人公としてストーリーを引っ張るにはあまりにも話に絡まなさ過ぎる気がする｡タタリ神の呪いも思ったより絡んでこないし｡

納得いかなかったのは､タタリ神化する乙事主を救うためにサンに今の状況をモロの君に伝えるよう言われた山犬よりも先に､後から来たアシタカの方がモロの君の前に到着しているところ｡この後､ジバシリに襲われるアシタカに､サンと共にいた山犬がアシタカに救われた山犬と共に助けに現れるのだが､サンと共にいた山犬は､こんな非常事態にアシタカに救われた山犬の合図に応えた後､モロの君に状況を連絡すらせずに一体何をしていたのかと突っ込みたい｡

この後､デイダラボッチ化するシシ神の首をエボシが刎ねて､事態がさらに悪化するわけだが､この山犬の不自然な行動がストーリー展開を不自然なものにしてしまっているようでマイナスだった｡