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[コメント] 狩人の夜(1955/米)

クーパー婦人役リリアン・ギッシュは子供たちへの愛情や誠実さ画面を通して伝わってくる素晴らしい演技で印象的。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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死刑囚が銀行強盗で手に入れた1万ドルを狙って死刑囚の家族の住む街にやってきた宣教師と死刑囚の子供たちの攻防を描いたサスペンス映画。

死刑囚からたまたま大金の在処を聞き、大金を狙って死刑囚の家族に取り入って、巧みに大金を奪おうとする宣教師の男ハリー側の展開を描いた前半のストーリーは恐怖感、緊迫感に優れた展開で非常に素晴らしい。ハリーが子供の持ち物に隠された大金にいつ狙いをつけるのかを観るだけでも十分価値がある。

そして、ハリーの凶暴な正体を知った子供たちがハリーから逃げるところは『小さな目撃者』を思わせる緊張感のある展開で(『狩人の夜』の方が公開が先だが)これだけ緊張感、恐怖感に優れたサスペンス要素満載の展開を見せられれば文句のつけようがない。

ストーリー展開的にも前半、ハリーが大金を狙って家族に迫り、言葉巧みに死刑囚の妻だったウィラに取り入って結婚し、子供たちを脅かすところや大金の在処を見つけ大金を持って逃亡する子供たちをハリーが追いかける展開、後半の身寄りのない子供たちの面倒を見るクーパー婦人に兄妹が匿われるところやハリーがクーパー婦人の世話になっている少女に近づいて、兄弟に迫るまでの展開が実にストーリーラインが綺麗で観ていて気持ちよかった。

役者としてもハリー役ロバート・ミッチャムは暴力性を内に秘める異常な宣教師を怪演。子供たちに迫る時の不気味さは実にインパクトがあった。クーパー婦人役リリアン・ギッシュは子供たちへの愛情や誠実さが画面を通して伝わってくる素晴らしい演技で、印象的。彼女の路線に非常にぴったりな役柄だと思う。ハリーに狙われる兄妹を演じる子役も演技は頑張っていた。

総評としてはサスペンス映画としてなら文句なくお勧めできる作品。

(評価:★5)

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