逃走犯罪映画と音楽映画をミックスさせた感じの作品｡

刑務所でバンドを組んでいた4人の女性たちが逃走しながらもCDデビューを果たし､逃避行を続けながらもライブを続け､警察を煙に撒くという展開で多少御都合主義な面もあるが､警察の追跡が程よく緊張感を煽っており､逃走ものの映画としてはなかなか面白い｡

しかし何と言ってもこの映画はミュージック･クリップを見ているかのようなバンドシーンと音楽の掛け合わせが秀逸さを評価したい｡いつ見ても飽きない｡登場人物も人情味に溢れていて魅力的｡特に中盤になって死んだ仲間の１人を見捨てずに遺言を果たすところは彼女たちの信頼関係がよく伝わってくる描写で素晴らしかった｡また主人公の１人エマが仲間の１人の裏切りで一度は警察に捕まりながらも､仲間を攻めることなく仲間の行動を許すところも最高｡

ラストの屋上ライブシーンはもう言うことなしの出来｡ラストのオチも６０年代のクライム･ムービーを髣髴とさせる感じで悪くない｡

総評としては､人情情緒溢れる逃避行映画で登場人物も魅力的だし､バンドシーンもかっこよく純粋に楽しめる｡バンド音楽が好きな人なら非常にお勧め｡