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[コメント] 赤毛のアン(1986/カナダ=独=米)

良い映画ではあったが正直、上映時間3時間30分はかなり辛いところ。
わっこ

**ネタバレ注意**
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ルーシー・モード・モンゴメリーの原作「赤毛のアン」の映画化。

正直、上映時間3時間30分はかなり辛いところ。

孤児院からプリンス・エドワード島にきた少女の成長を描いた文芸ドラマで多少、予定調和な部分が気にかかるがキャラ使い方や演出、役者の演技が素晴らしく、やはり感動してしまう。

ただアンは本来はもっと想像力豊かな女の子だと思うのだが映画では想像力豊かな女の子というより自己中心的というか、かなりマイ・ペースな感じで彼女の語る幻想的な話でマリラ達がが呆れて聞くのをやめたくなってしまう位、口が達者というか生意気な部分もあるので、ちょっとひいてしまうところも…。 それでも後半は成長がしっかり描かれ、根もしっかりしていてそれなりに好感できるように描かれている。

特に最後までそのマイペース振りを貫かれると正直気持ちいいし、それにより生まれるコメディシーンもなかなか面白かった。

前半のマリラの所まで養子になるまでの展開がやや唐突でそこの部分を描くぐらいならもう少し削ってでもアンの周りのダイアナやマリラ、マシュー、ギルバートとのエピソードに力をいれてもよかったのではと思う。

ただ、アンの周りの各キャラの配置の仕方がうまく、後半で重要な役割で再び登場するあたりは上映時間の長さをかなり感じさせなかった。ただギルバートとの掛け合いが中途半端な分、多少消化不良な部分も残る。エピソード的に養子にいったマシューやマリラよりも友達のダイアナとのエピソードが多いので家族が死ぬ展開でも今ひとつ感動が伝わらなかったのが残念なところ。

各エピソードはなかなか良い出来なので、もう少し各エピソードのバランスをとって欲しかった。

役者としては少女時代から大人までのアンをミーガン・フォローズが好演。特に最初の天然演技はなかなか面白かった。脇役でもマリラ役コリーン・デューハーストは一見厳しいが、とてもアンのことを思っているおばさんを情感を込めて演じていた。マシュー役リチャード・ファーンズワースも出番は少なかったが優しさも伝わるなかなか良い演技だった。

総評としては、まだ三部作の最初ということもあり、ストーリー自体はやや御都合主義な部分と消化不良な所があるのが気になるが、キャラの描き方と演出が秀逸なのでまずまず感動できる映画になった。

ただ、あれだけ長い時間を用いてエピソード的に思ったよりは描けてないのはなんとも時間の無駄だなという気もしなくもない。

(評価:★4)

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