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[コメント] アウェイ・フロム・ハー 君を想う(2006/カナダ)

同系種の『アイリス』や『きみに読む物語』のように過去のエピソードの回想を中心にせずに、現代のエピソードだけで展開させているのは好感が持てる。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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妻がアルツハイマー病に侵された夫の姿を描いた作品だが、同系種の『アイリス』や『きみに読む物語』のように過去のエピソードの回想を中心にせずに、現代のエピソードだけで展開させているのは好感が持てる。

アルツハイマーに侵された妻の方は夫に迷惑をかけたくなくて、早々施設への入居を進めるのに対し、夫の方は施設に行ってしまうことで、自分のことを早く忘れてしまうのでは思い、妻の施設への入居をしつこく止めようとする。このあたりの二人の関係が恋愛映画のような感情の縺れによる別れ話のような雰囲気がある。

そして、妻が自分のことを完全に忘れてしまい、夫なのによそよそしい態度をされ、自分の目の前で別の入居者の男を愛する姿見せられるグラントの姿が惨めで同情を誘う。彼がフィオナに結婚していた頃の記憶を取り戻して欲しいと尽力するも、フィオナは全く思い出さないという無情感がこの映画では上手く表現されていた。

終盤、フィオナが施設で愛していた男の妻と恋仲になりフィオナとの関係に見切りを付けようとグラントがフィオナに会った時に彼女が結婚していた時の記憶を取り戻してしまうところは何とも残酷な気がしたが、そんなに都合よく記憶を取り戻せるのかはちょっと疑問に感じた。

(評価:★3)

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