最近読んだ星野之宣版「未来からのホットライン」をキッカケにタイムスリップ、とりわけループもので観てなかったものを、ということで本作をチョイス。『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』や「エンドレスエイト」、『ミッション: 8ミニッツ』などこのジャンルの作品は良い作品が多いし、最近では『LOOPER』があった。制作の時系列から言えばビューティフル・ドリーマーが本作に影響を与えた可能性もあるけど、「胡蝶の夢」という古典があるので。

で、そうした作品を観ていればこの作品世界もすんなり受け入れられるので色んな小ネタも「あーハイハイ」という感じだけど編集と本がいいのでビル・マーレイのイヤなヤツっぷりとあいまってとても可笑しい。状況を受け入れたフィルはまず快楽に走り、やがて自暴自棄になっていくなかで一人のホームレス老人の死に立ち会う。フィルは何度となくその何の縁もない老人を死なせない為に手を尽くすが「寿命」だけはどうしようもない（ちなみに僕はここでボロ泣きしてしまった）。どうしても助けられない存在に触れてフィルは“でも出来るだけのことはやろう”という心境に至るわけで、上手いなあと思った。

その後の「皆が幸福であれかし」という流れはミッション: 8ミニッツに継承されているようでもありますね。本作もまた折にふれて観たくなるだろうな。