この作品に関してほとんど何の情報もなく観たのだけど、主人公の成長をどっしり核に据えて作られていてとても訴求力の高い作品だったと思う。これを見て思ったのだが、ヒロインおっこは最後に思い出（忌まわしい記憶も楽しかった時の記憶も）と訣別することで大きく成長できる。別れる時にきちんと別れるということは、しっかりと前を向くということで、人間の成長にかかせないものなのではないか？とか思った。　映画と関係ないけど、今の若い子って今日で卒業、これでお別れだね、といったところでLINEでつきあいは継続するのだから、何も変わってないってことになるんじゃないだろうか？　今の若い子の中にはずっと幼稚園の時の友達とつきあっていく人もいるらしいし。そういう途切れない人間関係が常態で、なんで別れるといった寂しい想いをする必要があるのか？とか考える若い子たちには、このおっこの物語の捉え方もまた自分とは違うのかも知れない。

女子小学生向けのサービスシーンなのか、途中でショッピングモールで次から次へとファッションショーを披露するヒロインの場面のなんとも楽しげな雰囲気は、50代の中年男性にも大いに共感できた。

薬丸くん、ホラン、バナナマンなどの声優起用が気をてらっていなくてしっくりしていて素晴らしいキャスティングだと思う。旅館や温泉街の情景描写も力が入っていて見応えがあった。