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[コメント] 私の少女(2014/韓国)

なんとなくしかわからなかった。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ペペロンチーノさんが書いているように、韓国の性道徳観(日韓の違い、韓国内の辺境と都市の違い)や一般の社会通念が肌感覚でわかっているのと、テキスト的に理解しようとしているのでは、作品の感じ方が違うような気が終始してしまった。児童への性虐待は国際基準だけど、同性愛のほうはバレるってきっと大変なんだろう、姦通罪よりも重いのかな軽いのかなとかは、その大変さの具合を左遷だったりアルコール浸りなどの状況をもとに、登場人物の苦悩や煩悶はだいたいこんなところだろう、と補完しながら見ている感じだった。

同性愛の許容と同様、自分への虐待をやめない養父とその母親への少女の抵抗の罪の具合もよくわからない。虐待を受けている間は、自分は殺されるかも知れない、という恐怖が頭をかすめると思う。だとしたら多少未必の故意であっても、婆さんの転落事故を誘うようなことを少女がしたのだとしても「化け物」とまで思うだろうか? 私なんかは自己保全上「アリ」だと思ってしまうのだが。それだけ親への反抗のアンモラル度が高いんだろうか? あと少女が人形のスカートをまくって自分が触られた所をニヤニヤしながら指摘する部分は、どういう意図があったと見るべきなのかいまだによくわかっていない。

最後の場面は、後輩の警官に「あの少女はたまに化け物のように思えることがあります」と言われたことで、「だとしたらその化け物を生んだのはわれわれ大人ではないか」と思うにいたり、ドゥナ所長は贖罪として少女を引き取る覚悟を決めた、ということは、テキスト的だから理解しやすい(間違った理解かも知れないけど…)。所長は元カノとよりを戻すことも含めて、自分の性的なポジションは何物にも干渉されるべきではない、と考えている。少女を引きとる覚悟とは、その自分への干渉を許す覚悟だ。そこは普遍的なテーマなので、理解しやすいのだった。

(評価:★4)

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