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[コメント] 裏切りのサーカス(2011/英=仏=独)

基礎知識や素養があればあるほど面白いに違いない。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私はないけど笑。

ただ原作を読んでいたので、筋を追うことに必死というわけでもなく、この映画の美術や渋いおやじばかりを集めた主要キャストの顔面、ロンドンや東欧のすすけた湿っぽさ、暗号、書類に囲まれた冷戦下の諜報部の雰囲気(実際のことなど知らないけど、たぶんこんな風だろうという)などを堪能できたほうだと思う。かすかに1970年代の香りの記憶がある自分としては、当時の感じがかなり丁寧に再現されているように感じた。

21世紀的な視点が盛り込まれたものという感じではなく、過度に郷愁的でも感傷的でもない作りは、おおむね原作に忠実、というか誠実な作りという印象で、逆にこれが今制作される意図が日本にいる私にはよくわからないけど、どんなところにも悪意が潜んでいる、物事には裏面があるという信念がゆえの「忠誠」にこだわる英国人気質に響く作りなんだろう。あるいは本編で描かれるKGBの「ウィッチクラフト作戦」という工作の主題が、ソ連の望んでいたことはあくまで米国の情報であって、英国諜報部は土管の役割でしかないという道化であったという結論が、戒め好きな彼らに受けがいいのかも、なんて思ったりもした。ただの推測ですが。

展開がわかりずらいというレビューが多いと思いましたが、原作はもっと展開がわかりずらく「今どの場面を書いているのか、誰がしゃべっているのか、さっぱりわからない」という感じなのでかなり読むのに苦労すると評判の作品です。実はこの原作をこの映画にまとめた人たちはとても優れた力量の人たちです。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] けにろん[*]

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