好きなことでは食っていけない、でもせめて最後のLIVEで燃焼する。そうなることはわかっている、っていうこと自体につっこみたいのではなく、もう、なんか映画をあげて「そういう気」がはなからマンマンで、最初から芽衣子の熱唱シーンに帰結させるべくみんなが行動して作っちゃったんではないか、っていうくらい、どうせそうなるんだろう感が半端なかった。

あとから原作読んでわかったけど、この話って、若者がいずれ「何かを決めなきゃいけない」っていう人生の分岐点みたいなところに差し掛かるまでの「間」の何ともモヤモヤした時間をテーマにしていたわけで、映画はストーリーをまとめようとするあまり、まったくといっていいほどそれを描き損ねていると思う。それは尺の都合でなく、描写の仕方に問題があったと思う。