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[コメント] 交渉人 真下正義(2005/日)

ニッチな笑いをとる警察物から始まって、やがて正統エンターティメントとしても成功してしまった本家「踊る」シリーズの遺伝子を継承。シリアスとデフォルメの同居を「水が差す」ととるか、「これこそ娯楽」とみなすかが好悪の分かれ目でしょうか。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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犯行動機の「ゲーム感覚」さに対し、立ち向かう側の登場人物たちが、忌避や嫌悪感とかを露にしない。そういうところからくる、本作全体としてのゲーム感覚の横溢が「理屈ぬきに楽しい」なのか「サスペンスとして緊迫感がない」となるか。ボレロのシンバルと爆破のシンクロのシーンにさえ笑いをかもす(奏者に近づき羽交い絞めする)ところの演出なんかを見ると、良くも悪くも「踊る」シリーズでは、これで行くしかないんだろうなというような感じがする。

線引き屋の爺さんとか、司令塔のおっさんのような昔気質の仕事人なら、何より犯人の「遊び感覚」に対し、「憎む」というよりもっと「イラつく」「厭になる」というような反応があってもいいように思う。で、ユースケだけが、同じ穴のむじなで、ゲーム感覚であること自体には「なんとも思わない」というほうがドラマに厚みが出たと思う。でもドラマに厚みなんか持たせようとはしていないんだからそこはどうでもいいわけだ。

きっと、監督自身の「遊び心」という感性が、犯人のゲーム感覚にシンパシーを寄せていて、そういう体質がそのまま出ているところが、キャラの描き分けに影響しているのだろうと思ってみたところで、監督がわかってやっている上にヒットもさせているんだから、もう後は私にとって好きか嫌いかということでしかないわけです。で、私は「もう一度見ても見なくてもどっちでもいい」ので3点にしました。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)sawa:38[*] ぽんしゅう[*] Myurakz[*]

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