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[コメント] マイ・ネーム・イズ・ジョー(1998/英=仏=伊=独=スペイン)

繰り返さずにはいられなかった過ち・・・
ちわわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ローチが求めていたものがこの作品で集大成されているように思われます。「リフ・ラフ」の怒り、「レイニングストーンズ」の懺悔、「カルラの歌」での他人に救済をもとめる気持ちなどなど。

この映画の結末は賛否両論があるでしょうが、けっして救いがないようにはおもいません。ジョーはアルコールによって愛するものと別れ、今度は友人を救うがために恋人を失い、そしてそのはねかえりでおぼれたアルコールで、今度はその友人を失うことになる。

要するにこういうストーリーですが、友人は自殺するまえにかれにきつくあたるジョーの言葉が本心でないことに気付いています。実はこういうところにこの映画の救いがあるようにおもいます。

みんなジョーを愛している。たしか最初にあらわれるこの言葉は映画全体に意味を与えているでしょう。

結末をみるかぎりおそらくこの事件でジョーがアルコールに再び溺れることはなかったのでしょう。もと恋人の女性が最後にかれになげかける眼差しは、ジョーが孤独なのではないと信じさせてくれます。けっして彼女が彼のもとにもどることがなくとも。

「マイ・ネーム・イズ・ジョー」。ジョーという人間がいるということ。 これほど優れた表題はないとおもいます。

(評価:★4)

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