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[コメント] 名探偵コナン ベイカー街の亡霊(2002/日)

経営陣の経営戦略に製作陣が悩まされた結果であってほしい。回数を重ねるごとに希薄になっていくストーリーが切なすぎる。
ヒコ一キグモ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







シャーロック・ホームズが好きな人は、ものすごくはまる映画だと思う。

しかし、今までの映画版コナンの作りは、実写ではなしえないビルや海底での事件やテロを軸組みにして、はりめぐらされた伏線とサイドストーリーがラストで束ねられる、力の入った作品にできあがっていた。

確かに実写で再現しにくいバーチャル空間を軸に映画を作っているが、本作品でのバーチャル空間では余りに命の価値が低くすぎることが問題である。 そんな世界観の中であっさりとゲームオーバーを迎えていく主要メンバー達。 灰原でさえもこの映画では存在感を感じない。

全てはラストで実は体を借りていたという展開を作るために映画キャラを生かしていたのだが、余りに主要メンバーを軽く扱っている。しかも前半であっさりゲームオーバー。その犠牲にはなんの意味も無い。「助けてもらった借りは返したかな」っていう映画キャラのほうがよっぽどましな扱い。 極めつきには40人の子供が他にいっぱいいるのに、そのゲームオーバーにはほとんど触れていない。50人の命をコナン君が背負っているという設定すらも軽くなる。

一番納得がいかないのはノアザアークの行動である。 最終的には親の七光りの子供達の成長を促すゲームといいながら、実の所コナン君でなければ解けない難度のゲームレベル 話に筋道がとおってないのは、ストーリーを煮詰めてないから、ただ話のつじつまを合わせているだけだからと感じる。

モンスターズインクはストーリーを作るのに2年間かけたそうだ。 その製作陣はディズニーという冠だけで売っていない。ピクサーという本物の集団がストーリーと映像に自信を持って映画を作っている。 利益だけを求めている経営陣とは違う。1年に1回興業収益をあげるためにピクサーは作ってないのだ。

そして映画コナンは映画くれよんしんちゃんにも遅れを取り出した。しんちゃんもまた映画はアニメのレベルを超え、かなり高いレベルでまとまっている。 そのしんちゃんは1年に1回の興業でも高いレベルを保っている。身近にあるいい見本である。

しんちゃんのいい所は映画では家族愛がテーマになるところだと思う。 コナンのいい所は仲間との団結や蘭への愛情がテーマになるところだと思う。

今回はバーチャル世界という難しい設定を軸にしたため、そこらへんのいいところは消えている。

瞳の中の暗殺者』や今回のように30分TV番組をただ長くしただけの作品は映画にすべきではないと思う。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ねこすけ[*] HILO[*]

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