[コメント] 動くな、死ね、甦れ!(1989/露)
どんな色より豊かで鮮やかなモノクロ画面から迫り来る、圧倒的な「命」のほとばしり。観る者を捻じ伏せる、その「真実」と「瞳」の力。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
*****WARNING!!!*****
『桜桃の味』のネタバレも含まれますのでご注意下さい。
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『桜桃の味』を同じ日に観たのだが、偶然にも本作でもメタ的なラストに遭遇した。
ただ、そこには大きな相違点がある。
『桜桃の味』のメタ的ラストに漂う意図は、監督の「逃げ」であったように感じた。勿論、その行間に「救い」を生む可能性は否定できないのだが、観客にとって「追いかけてもいないのに、逃げられた」的な苛立ち(及び「眠い目擦って頑張ったのに、そんなのありかよ」的な怒り)を感じさせることとなるのではなかろうか。
『動くな、死ね、甦れ』のメタ的ラストは違う。
これまでの物語をそっと包みこむような、「この物語が虚構の中においても真実であってはならない」とでも言いたげな、監督(作品にとっての「母」)の物語の迫真性への「抱擁」と僕は受け取った。
ガーリヤがワレルカの「守護天使」ならば、監督が本作の「守護天使」であると。 タイトルの「甦れ!」もそこに真意があるのではないだろうかと。
尚、本作を見てすぐに思い出したのは小栗康平監督作品『泥の河』であった。
[7.31.01]
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