ってか、「パクリ映画はこう作れ」と書こうとした（アイデアの借用や触発は映画に限らない）んだが、この映画を人目に触れるところで「パクリ映画」と規定したら、多方面に不愉快を与えそうで…。でもＪ・キャメロンってパクリの天才だと思う。つまり、天才だってことだけど。

　自分の映画をここまで上手に再活用したら、誰も文句言えない。人によっては『タイタニック』さえ、Ｔ１、Ｔ２の焼き直しだと言うくらいだ。

　私は（シュワの）正邪の反転に失望した口。一作目で掲げた諸々の設定を見事に活かして良識的な作品を作ったキャメロンだけど、いわゆる「邪悪な解放感」（ｂｙショーン･フレンチ、訳・矢口誠）ちゅう奴だけがないのよ。これが一作目における最大の魅力だったのに。

　興業上の戦略からそうしたのなら、キャメロンはなんとしたたかな奴だということになるが、単にそういう評価を覆したかったってことかな、と最近は思えてきた。いずれにしても、Ｔ２みたいな作品は今後いくらでも作れるだろうが、Ｔ１みたいな作品を作ることはニ度とないだろうね。