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[コメント] ハリー・ポッターと賢者の石(2001/英=米)

最初に劇場で観た時の★は3。2作目「秘密の部屋」(★4)を観てから、も一度観直さなきゃと考えてビデオで観たところ、★一つアップした。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 最初に観たとき書いたコメントを読み返すと、遊び心満載の映像は充分楽しんだようで、それは今回も同じ。キャンドルが空中に浮いてたり天井が夜景の絵だったり、そうする意味がどこにあるのかよく分からないが、そうなっていたらとにかく楽しいだろうな、と思える。自分の中にある童心をくすぐる設定は、理詰めで考え得るものではないだけに、凄いと思った。

 しかし、ストーリーがピンと来なくて、「肝心の魔法がショボい」「魔法は魔法の国の中ではなく、普通の国で発揮してこそ楽しい」なのに「話が魔法学校内に終始する」という論法で、評価の下げ材料としていた。さらに、前回のレビュウでは特に触れなかったが、主人公・ハリーに対する依怙贔屓と、それが当然の様にされていることについては、不愉快を感じていたことも事実。

 だが今回は、これは製作者側が意図的にやっていることだと感じた。つまり、他にも放置されたままの謎や疑問がたくさんある。これらについては次作以降で手掛かりが与えられたり解明されたりするのだろう、と思えた。だからとりあえず、感じた不愉快は不愉快のまま、今作を評価する際の判断材料からは一時的に外しておこう、という感じ。

 要は2作目を観たことによって、単独の作品としてではなく、シリーズの中の一作と位置付けることができたみたい。そうなると、いずれ話が普通の国に及ぶことも想像できるので、(少なくとも)今作の舞台が学校内に終始することは気にならなくなった。

 「魔法がショボい」・・・これは確かにショボい。だがよく観りゃこれも、ロンやハーマイオニーはまだ一年生な訳だし、ハリーに至ってはほとんどそれ以下、自分の意思で魔法をコントロールできる状態にさえない。いわゆる「イヤボーン」状態で、それであそこまでやっちゃうんだから逆に凄い。

 で、結局のところ、主要な登場人物の性格付けが明確で、それらが絡むだけで紡ぎ出されるストーリー展開に無駄のなさを感じた。原作を端折ったのだろうから当然かもしれんが、この淀みのない語り口なら次作以降(実際には3作目以降。2作目は鑑賞済みなので)も期待できる。

 映画って記憶力の悪い奴から金をむしり取るシステムなんですね。これを観たら観たで、今度は早くも忘れかけてきた2作目をもう一回観直したくなっちゃった。筋を追うことだけを考えたら、原作を買って手元に置いといたほうがコスト・パフォーマンスはいいかも。

80/100(03/08/17再見&書直)//初見時:75/100(02/06/29記)

(評価:★4)

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