すいません。とまず謝っとく。思いついたら書かずにいられない性分なもんで。300個近いコメントを全部チェックするのも結構大変だったし。と居直る。それでもカブってないことを考えつく俺って、なかなか独創的?(それは自己満足だな。ってかある意味幸せ者。）一応諺？からとってるところがニクイ。

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仕事の上で、私が勝手に大恩師と仰ぐ人物がいる。ここでは仮にG13氏と呼んでおこう（もう、おわかりですね）。G13氏は、職業柄、単独で行動することが多い性か、極めて空想癖が強い。アメリのような現実ばなれした空想とは種類が違うのだが、物影に潜んで標的の出待ちをしているときなど、よく、契約時の経緯を回想するなどして時間を潰しているようだ。対人関係についていうと、これまたG13氏は苦手にしている。なにしろ射殺するという形でしか人と交わりを持つことのできないお方なので、悲しいくらいにコミュニケーション能力に欠ける。これ以上続けるとG13氏に殺されかねないので止めておくが、何が言いたいかというと、私も、同じ仕事をしている関係で、似た性癖を持つ者だ。回りくどい。そんな所も含め、アメリに共感を覚える今日この頃である。

アメリが、｢自分から恋を獲得する努力をしていない｣｢閉じ篭った殻を自分で破ろうとしない｣と言ってこの映画を批判する方々には、次のように言ってあげたい。あんな独創的な方法で誘いを掛けられたことがありますか?　俺はない!自分から仕掛けたこともない！自慢にゃならんが。確かにニノ(マチュー・カソビッツ)の立場になって考えれば、非常に不安を感じるだろう、｢この女、だいじょうぶか？｣と。しかし、この女について知りたいという好奇心は強く抱くと思う。なぜなら、少なくとも自分にたいして興味を(ありていに言えば好意を)持っているように思えるから。

アメリにしてみれば、あそこまでやっただけで大冒険である。自分の空想世界で遊んでいたほうが、誰にも邪魔されないし、居心地がいいに決まっている。だから、カフェまで来たニノに真実を打ち明けられなかった点については、ちょっと大目にみてあげてほしいのだ。ニノだって、あの場で胸にでも飛び込まれた日にゃ、かえってストーカー地味て興醒めではなかったか。むしろ女の子の方で心を開いてくれるまで待とうと思って、あの場は引いたんじゃないかな。ってかジュネ監督がそういう人物を注意深く選んで配置したんだと思うんだけど。だいたいストーカーってのは、単調で工夫が見られないところに精神的な"病み"があるんだ（と思う。経験ないから正確には知らんけど）よ。え？実際公園に矢印なんて書いたら係員に叱られるって?ま、そりゃそうだろうが･･･。

それから、アメリが仕掛けた悪戯について。アメリだって自分がやりたくてあんなコトしたんじゃない、脚本にそうしろって書いてあったからやっただけなんだ･･･。いやつまり、これはむしろ、監督･ジュネの悪戯じゃないかな。観客への挑戦的な。普通にすべて"本当の幸せをもたらす"仕掛けにしてあったところで、脚本上なんの不都合もないわけだから。たぶん、ジュネはそれじゃ物足りなかったんだろう。だからあそこは、監督と波長が合う人は、ニヤリとしたりゲラゲラ笑って楽しめばいいんだと思う。私自身は、ちょっとギリギリな所もあったことは認めるけど、だいたい楽しんだよ。まあ、モラルは壊すことより守ることの方が大切だから、このあたりに怒りを感じた人たちの気持ちは、それとして貴重なものだとは思うけど。

てな感じで長くなったのでこの辺で。どこが良かったかについて全然書いてないけど、それは他の皆さんがたくさん書いてくださっているので、割愛。

80/100（02/11/30見）、90/100（11/01/09再見...採点のみ変更）