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[コメント] ティファニーで朝食を(1961/米)

手洗関係の仕事をずいぶんと短時間で済ませられるものだと感心もしたが、オードリーらしからぬ不潔さで嫌。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 パーティー・ピープルみたいな生活をしながら、「パウダールームでのお勤め」によって世の男性陣から小遣いを稼ぐ風変わりな女性、ポリー・ゴライトリー(オードリー・ヘップバーン)。

 彼女という人となりを描く冒頭からのシーケンスはテンポもよく、展開に捻りもあり、楽しい。ユニヨシさん(ミッキー・ルーニー)も初登場シーンで「どうなってるんだ」みたいな間投詞風の科白をちゃんと日本語に聞こえるよう喋っていて、かえって評価してしまった。パーティー場面なんかでも、鏡に向かって一人でバカ笑いしてた女性が次のシーンでは化粧もクタクタに泣いてたりとか、クスリとさせられるシーンがある。シンシン刑務所での麻薬王との面会をも省かずに描き、「お天気」の報告なんか意味不明なところが逆に意味深という演出も冴えた。

 見知らぬおっさん(実は彼女の夫)がポール(ジョージ・ペパード)を尾行してセントラルパークまで行く場面で眠気に襲われた。ここまでの展開の激しさに疲れが出たか。しかし、ここで急に重苦しい状況に陥るなど、物語の緩急の付け方は上手いと思った。

 この後は、伏線を回収していく感じでもあり、さほど意表を突く展開というのはなかった。エンディングに続く展開では、ポールがポリーに「束縛を逃れ、自由を愛するように振る舞う君は臆病なだけだ。互いに互いへ従属するほか、幸福に至る道はない」みたいなことを言っていたが、正直、意味が分からんし、ここでこの言葉が彼女の胸に刺さるぐらいなら、とっくの前に刺さっているだろう。最愛の兄、フレッド(実の兄の方)の死が彼女に及ぼした影響も描ききれておらず、ストーリー上の一つのアクセントに成り下がっていた。

 とは言え、軽いコメディタッチで、適度にシリアスさも湛えた、何よりお洒落なラブロマンスとして、よく練り上げられた作品だったと思う。

80/100(21/5/5劇場初見、レビュー追記。前はTV放映とかで見たのかな。。。)

(評価:★3)

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