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[コメント] バックドラフト(1991/米)

消防士の映画に兄弟愛の要素を足す。加え、火事場の爆炎現象をサスペンス仕立てに描く。も一つおまけにデ・ニーロ付けちゃう。アメ横的足し算の果てに生まれた作品。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 たまには足し算もいいか。

 * * *

 「可燃性物質のあるところが燃えるのではない。炎には意志がある」とは、映画の中のリムゲイル捜査官(ロバート・デ・ニーロ)の言葉だ。炎に意思のあるはずはない。要するに彼もまた、炎の魅力というか、魔力に魅入られた人間なのだ。画面を所狭しと駆けずり回る炎たちの狂宴。突如吹き上げる火焔の荒々しさ。チロチロと梁を這う炎舌の不吉さ。炎というものの恐怖とその危険な魅力をスクリーンに焼き付けた作品だと思う。

 言わなくていいかもしれないが、それと比べればドラマの方は、市街地再開発をめぐる社会派サスペンスみたいな体裁すら取って付けた感満載。数あった要素の中では、スティーブン(カート・ラッセル)とブライアン(ウィリアム・ボールドウィン)のマカフレイ兄弟愛のパートぐらいが、一貫して話を支えていたろうか。

 自分に不利益になる質問なのに、正直にしか答えられない(答えてしまう)という、いかにも映画向きな精神障害者の元放火魔を、キーファー・サザーランドのお父ちゃん、ロナルドが印象深く演じていた。

 女優陣(ジェニファー・ジェイソン・リーレベッカ・デモーネイ)は、必然性の無い性行シーンまで演らされた割りに、いずれも魅力的には撮られない。地かどうか知らない。

 J・T・ウォルシュの役柄はともかく、この役に彼は必要不可欠だった。

 スコット・グレンの炎(←OK)。

(21/9/20...これも30年ぶりぐらいの再見、レビュー追記)

(評価:★4)

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